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NEC、指紋と血管を一度で照合できる複合認証技術を開発


非接触型マルチモーダル認証装置の試作機
 日本電気株式会社(以下、NEC)は5月14日、非接触型のマルチモーダル認証技術を開発したと発表した。マルチモーダル認証とは、複数の方式(モード)を用いた生体認証のことで、今回開発された技術を利用すると、指紋と血管という2つの生体情報を一度に読み取り、認証を行える。

 NECによれば、従来のマルチモーダル認証では、指紋を認証した後にサイン認証を行う、といった複数の動作を必要としていたという。しかしNECが開発した技術を利用すると、指紋と血管という2種類の異なる生体情報を、一度に読み取り可能になる。これによって、ユーザビリティと認証精度の2つを両立させられるほか、単一の装置で認証できることから、システム構成の簡略化にもつながるとのこと。

 また、認証については、NEC独自の指紋認証アルゴリズムをベースに、同社中央研究所で開発された血管認証アルゴリズムを加え、複合的に活用することで、さらに高精度な認証を実現。加えて、指を装置にかざすだけの非接触型のため、指を接触させることに抵抗を感じているユーザーに対しても、使いやすい機器を提供できるメリットもあるとした。

 なお、今回開発された装置では、血管認証は指を利用するが、指紋のような皮膚文様と血管がある生体部位であれば、手のひらなどほかの個所でも利用可能。1つの装置で、指と手のひらなど、2つの部位に対応した認証装置も実現できる。

 NECでは今後、入退室管理装置やキオスク端末など、業務用機器への組み込み用途において、この技術の製品化を進める考えである。



URL
  日本電気株式会社
  http://www.nec.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.nec.co.jp/press/ja/0805/1403.html


( 石井 一志 )
2008/05/14 15:57

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