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クリアスウィフト、フィンガープリントを利用したDLP製品を発売へ


英Clearswiftのプロダクトマネジメント担当ディレクター、Alyn Hockey氏(左)と、マーケティング担当副社長のStephen Millard氏(右)

CONTENTsafeの概要
 クリアスウィフト株式会社ではこれまでも、主力製品のメールセキュリティ製品「MIMEsweeper Email Appliance」において、社内から社外への情報漏えい対策を提供してきたが、これを補完する取り組みとして、フィンガープリントを利用した製品の発売を計画していえるという。英Clearswiftのプロダクトマネジメント担当ディレクター、Alyn Hockey氏と、マーケティング担当副社長、Stephen Millard氏に、その概要を聞いた。

 これまでのクリアスウィフト製品では、キーワードやフレーズによるブロック機能を中心にしたコンテンツフィルタリング機能を提供してきた。ところが、キーワードによる保護は、あらかじめどんなデータの流出を防ぐか分かっている場合は有効だが、情報の保護を徹底しようとした場合にはまだ不十分な面があるという。そこで同社では、フィンガープリントを利用したDLP(データ流出防止)ソリューション「CONTENTsafe」の提供に踏み切る。

 ワールドワイドではすでに、多くの情報流出事件が発生しており、膨大な被害を企業にもたらしている状況。英国でも、政府機関が2500万人の児童手当関連データを紛失するという事件が起こっており、大問題になっている。こうした事件を踏まえ、企業でもDLPの必要性は認識されてきたものの、まだ現状は、「DLPの導入は、複雑さやコストの面、導入に時間がかかることなどがネックになって、先延ばしになってしまっている」(Hockey氏)というのだ。

 そこで同社が新たに提供するDLPソリューション「CONTENTsafe」では、導入や運用の手間を最小限にすることに力を注いだ。このソリューションでは、ユーザーが作成した文書などのコンテンツを、機密情報としてコンテンツ保護サーバーに登録。ユーザーがメールやWebからその文書の全部、あるいは一部を送信しようとした際に、ゲートウェイでブロックする仕組みを採用した。文書は、多くのファイルフォーマットに対応するほか、バイナリファイルからのテキスト抽出もサポート。送ってもいい情報を誤ってブロックすることを防ぐホワイトリスト機能も備える。


 登録可能な文書ファイルの数は、最大50万件。保護すべき文書ファイル自体をサーバー上に残すのではなく、テキストをデジタル処理したものが登録されることから、大量の文書を扱える。また、文書登録にあたってはユーザーの負担を軽減するために、特定フォルダを一定時間ごとにスキャンし、自動的に登録する機能や、フォルダ、ボリュームを丸ごと登録する機能も備える。「CONTENTsafeでは、いったんインデックス化されたデータは、一部であっても不適切な形で流出することが防げ、組織のガバナンスを強化可能。また、機密情報がいかに使われているか、という点もよりよく見えるようになる」(Millard氏)。

 英国での発売予定は11月で、国内での提供はそこから3~6カ月遅れる見込みだが、すでに日本語の認識には対応しているという。利用に際しては、MIMEsweeper Email Applianceや同 Web Applianceとの連携が必須で、まず、発売当初はメール系の製品との連携に対応し、順次、対応範囲を広げていく予定。

 なお、簡単に導入できるとはいえ、DLPを採用するのには、情報を扱うポリシーを企業が持っていなくてはならないほか、文書作成のルールを作ったり、ユーザーの周知したりすることも必要になる。そこでクリアスウィフトでは、導入支援が可能なSIerなどと組み、提供を進めていく考え。まず、パートナーが企業の現状を分析した後、一部分に監視のみのモードで導入。実際に情報がどう流通しているかを見て、その上でその企業に即したポリシーを決めていく、といった流れになるとした。



URL
  クリアスウィフト株式会社
  http://www.clearswift.co.jp/


( 石井 一志 )
2008/09/19 12:11

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