SAPジャパン株式会社は10月8日、アクセス管理プロセスを自動化・効率化するソフトの新版「SAP GRC Access Control(以下、SAP GRC AC) 5.3」を発表した。同日から提供を開始する。
SAP GRC ACは、アプリケーションに対するアクセス権限の評価・テスト・修正を自動化するソフト。全社レベルでの自動アクセス管理を実現し、「職務分掌リスクの把握とその軽減」「同リスクを排除したロールの設計・管理」「リスクを把握した上でのID付与」「特権ユーザーIDの適切な管理」が可能になる。
新版では、シングルサインオン(SSO)への対応や職務分掌リスク分析の機能強化など、およそ180の機能追加・強化を行った。
SSOでは、従来機能ごとに4つに分かれていたSAP GRC AC初期画面を単一のエントリー画面へと統合。これにより、統合アプリケーション・プラットフォーム「SAP NetWeaver」が提供するSSO機能に対応するようになった。
職務分掌リスク分析の機能強化では、従来ユーザーがダウンロードする必要があった職務分掌リスクレポートを、リスクを検知するたびに自動送信できるようにした。これにより、リスクに対して迅速な措置が可能になるという。
そのほか、Oracle、PeopleSoft、JD Edwardsの各アプリケーションへ接続可能とするRTA(リアルタイムエージェント)を提供することで、非SAPシステムに対しても職務分掌リスク分析の実施とID付与が行えるようになった。また、企業内のあらゆるシステムIDの統合管理製品「SAP NetWeaver Identity Management(SAP NetWeaver IM)」との双方向連携も実現。従来、SAP NetWeaver IMからSAP GRC ACへの一方向のみの連携が可能だったが、双方向としたことで、より包括的に適切なID付与が可能になったとしている。
さらに職務分掌リスク分析や、特権ユーザー管理ログレポート出力などにおいて、パフォーマンス向上も図られているという。
■ URL
SAPジャパン株式会社
http://www.sap.com/japan/
ニュースリリース
http://www.sap.com/japan/about/press/press.epx?pressid=10210
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( 川島 弘之 )
2008/10/08 13:56
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