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ウェブセンス、Web 2.0対応のリアルタイム識別機能を備えたWebフィルタ製品


技術統括部部長、加藤純氏

これまでは、頻繁にデータベースを更新することを「リアルタイム」と呼んでいたが、プロキシとの統合で真にリアルタイムのセキュリティを提供できるようになったという
 ウェブセンス・ジャパン株式会社(以下、ウェブセンス)は12月2日、Webセキュリティソフトウェア「Websense Web Security Gateway」を発表した。2009年1月より提供を開始する。参考価格は、500ユーザーで183万7500円より。

 Websense Web Security Gatewayは、Webフィルタリングの機能を備えたセキュリティゲートウェイソフトウェア。データベースを用いたURLフィルタリング機能に加えて、リアルタイムでコンテンツを識別するエンジン「アクティブセキュリティモジュール」を搭載しており、アクセスするたびに内容が変わるようなWeb 2.0型の動的コンテンツや、Webのロングテールにあたる無数の個人ブログ、メンテナンスされてないサイトなどにも対応できるという。また、SSLの復号と再暗号化を行う機能も搭載したため、暗号化されたトラフィックの検査も行えるようになった。

 Webサイトからの脅威が急増する中、セキュリティベンダーでは、従来型のURLフィルタリングと、Webサイトの信頼性を評価するWebレピュテーションの技術を組み合わせて、ユーザーを保護してきた。しかしウェブセンスの技術統括部部長、加藤純氏は、「悪意あるWebサイトの75%はWebレピュテーションの評価では『良い』サイトに存在する」という点を指摘。従来型の保護では間に合わなくなっていることから、アクティブセキュリティモジュールなどによる、有効な保護を提供できるようにしたとアピールする。

 なお、これまでのウェブセンスのWebフィルタリング製品は、サードパーティのプロキシ製品やファイアウォールなどと連携してきたが、アクティブセキュリティモジュールによるリアルタイム検査やSSL対応は、プロキシまたはフィルタリング製品単体では実現できない。そこでWebsense Web Security GatewayはInktomiのWebプロキシ機能を統合し、総合的なソリューションとして提供できるようになったと説明している。


代表取締役の公家尊裕氏
 またウェブセンスでは、新製品を提供する一方、9月に代表取締役に就任した公家尊裕氏のもとで、これまでのビジネスも全面的にあらためる。具体的には、「海外の戦略をそのまま日本に持ち込んでいたのを変更し、日本の市場、ユーザー、パートナーに合わせた戦略をとっていく」(公家氏)としたほか、「市場に製品を提供するためのインフラに欠けていたことを強く感じた」ことから、販売チャネルの整備を図る計画。2009年12月末までに20社のコアパートナーを選別し、効率的な市場展開を行っていくという。

 また、パートナープログラムを一新。一次店の「認定ディストリビュータ」、二次店の「認定リセラー」、直接販売に携わらない「アライアンスパートナー」の3つに分類・体系化し、これらの認定パートナーとの深い連携・協業体制を作るとした。さらに、対競合ベンダーの体制も積極敵に整える。「ワールドワイドではWebフィルタリングで70%を超えるシェアを持つが、国内ではナンバーワンではない。成長の余地が高いと見ている」とした公家氏は、DLPやメールセキュリティを含めた総合的な製品提供が可能な点を訴えるとともに、Webフィルタリング製品でも戦略的な価格付けを行うことによって、他社製品ユーザーからの乗り換えをアグレッシブに狙っていく意向を示している。



URL
  ウェブセンス・ジャパン株式会社
  http://www.websense.co.jp/


( 石井 一志 )
2008/12/02 15:50

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