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RSAセキュリティ、耐障害性と拡張性を高めたSecurID認証アプライアンス


RSA SecurID Appliance A130

マーケティング統括本部 プロダクトマーケティングマネジャーの水村明博氏
 RSAセキュリティ株式会社は12月16日、認証アプライアンスサーバー「RSA SecurID Appliance」の新製品として、最新の認証サーバーソフト「RSA Authentication Manager(RSA AM) 7.1」を搭載した2モデルを発表した。

 RSA SecurID Applianceは、ワンタイムパスワード(OTP)認証要求に応える製品。内部にRSA AMを搭載したアプライアンスとして出荷され、容易に導入できるのが特徴。60秒ごとに変化する6けたのOTPを表示するSecurIDトークンと同期を図り、ユーザーが入力したOTPの有効性を確認する。

 今回発表されたのは、エントリーモデルの「RSA SecurID Appliance 130(以下、A130)」と、ハイエンドモデルの「RSA SecurID Appliance 250(以下、A250)」の2製品。従来より提供されていたエントリーモデルに加え、耐障害性や拡張性に優れたA250を投入したのが今回の骨子だ。主なスペックは、A130がデュアルコアのXeon 3110(3.0GHz)/4GBメモリ/250GB HDD。A250がクアッドコアのXeon E5420/8GBメモリ/400GB HDD×2。

 新製品の特徴は「耐障害性と拡張性」「簡単セットアップ」「運用管理コストの削減」の3点という。

 1つ目では、大規模ユーザーを対象とするA250で、HDDの二重化(RAID 1)や電源ユニットの二重化に対応。加えて、エントリー/ハイエンドの両モデルがそろったことで、「A250-A250、A250-A130など冗長構成のバリエーションが増えたのがメリット。最大でレプリカ機15台の冗長化が可能で、安定稼働と規模を問わない柔軟な設計が可能」(マーケティング統括本部 プロダクトマーケティングマネジャーの水村明博氏)としている。

 2つ目では、IPアドレス、管理者アカウントなどの基礎情報をウィザード形式で設定できる「クイック・セットアップ機能」を搭載することで、およそ30分でのセットアップを実現している。また「7月に発表されたRSA AM 7.1の新機能がすぐに利用できるのもメリット」(水村氏)。具体的には、Windowsデスクトップ認証をはじめとしたさまざまな認証方式、必要な時に携帯電話でOTPを受け取れる「On-Demandトークン」、アクティブユーザーを柔軟に変動できる「Business Continutiy Option」などの新機能を備えており、より柔軟な認証が可能となっている。そのほか、世界200以上のベンダー、約400製品との実証済みの連携性をアピール。既存環境と連携を図りながら「認証強化基盤を簡単に導入することができる」(同氏)とした。


複数台構成による高い柔軟性 On-Demandトークンの概要

セルフ・サービス画面例

プロビジョニングのワークフロー化
 3つ目では、アプライアンスの保守性を重視した機能として、パッチマネジメントやロールバック機能を搭載。ソフトウェア/ハードウェアともにRSAセキュリティから一貫したサポートが受けられるほか、専用のGUIから簡単にパッチのアップデート/ロールバックが可能となっている。

 また、管理者のユーザー管理業務を簡素化する「セルフ・サービス機能」、ユーザー登録からトークン配布までのプロビジョニングを可視化する「ワークフロー機能」が利用可能。セルフ・サービス機能では、PIN(OTPと組み合わせる4けたの暗証番号)の変更、トークンの再同期、有効期限切れや破損時の新しいトークンの要求、ユーザープロファイルの変更などを、トークンの利用者自らが行うことができる。


 サーバーソフト込みの100ユーザーライセンス価格は、A130が199万円9000円(税別)から、A250が262万円(同)から。このほか、A130とサーバーソフトにSID700トークンもバンドルした「エントリーモデル向けバンドルキット」も用意しており、価格が50ユーザーで165万円(同)、25ユーザーで98万円(同)、10ユーザーで49万8000円(同)。ただし、10ユーザー版は新規ユーザー向けのキャンペーンで、2009年1月から3月20日発注分に限る。

 水村氏によれば、「セキュリティアプライアンス市場の伸長に伴い、認証サーバー市場では、アプライアンスとソフトウェアの逆転現象が起きている。RSA SecurIDも出荷数の4割強がすでにアプライアンス製品」とのこと。この流れに乗ってRSAセキュリティでは、今後3年間に2000台以上の売り上げをめざす。



URL
  RSAセキュリティ株式会社
  http://japan.rsa.com/
  プレスリリース
  http://japan.rsa.com/press_release.aspx?id=9827

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( 川島 弘之 )
2008/12/16 15:03

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