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サイファー・テック、人事採用部門向けのセキュリティ対策ASPサービス

応募者情報のPDFファイルを暗号化

代表取締役の吉田基晴氏
 サイファー・テック株式会社は1月15日、人事採用部門向けのセキュリティ対策ASPサービス「安配PDF for 応募者情報」を同日より提供開始すると発表した。

 安配PDF for 応募者情報は、履歴書や職務経歴書といった、採用に関する個人情報の漏えいや拡散を防止するためのASPサービス。同社が独自開発しているDRM(電子著作物保護)製品で培った強力なデータ保護機能を活用し、応募者情報のPDFファイルを暗号化するとともに、利用権限の管理、複製防止を実現する。

 代表取締役の吉田基晴氏は、「人事採用部門が取り扱う履歴書や職務経歴書には、応募者の経歴から住所、連絡先までが書かれており、企業における究極の個人情報であるととらえている。それにもかかわらず、これらのデータは安易に扱われているのではないかと疑問を感じ、今回の新サービスを開発した」と述べた。あわせて、新サービスを提供する背景について、「現在、企業の採用シーンでは、履歴書などを電子データでやりとりすることが一般的になっている。また、採用活動が通年で行われることが多くなり、採用や選考にかかわる関係者が増加。加えて、人材紹介会社などの外部企業を利用するケースも増えているため、扱われる応募情報が関係者外に漏えいしたり、インターネットに流出して第三者にさらされたりするリスクがさらに高まっている」と説明した。

 新サービスを導入することで、履歴書や職務経歴書のPDFファイルを暗号化し、特定の人だけが閲覧できるような設定を行える。また、暗号化したデータには閲覧可能な有効期限を設定できるほか、プリントスクリーン、キャプチャソフトによる画面複製行為を防止する機能を提供。万が一、関係者のミスや事故、Winny悪用ウイルスの感染などで応募者情報が外部に漏えいした場合でも、個人情報が第三者にさらされるリスクを低減できる。


サービス利用の流れ

サービスを利用すると、適切なセキュリティが保たれた状態を実現できる
 サービスの利用イメージとしては、まず採用担当者が「暗号化ツール」を使って応募者情報へのプロテクト設定を行う。暗号化ツールでは、簡単なマウス操作で複数のPDFファイルを暗号化できるとともに、閲覧可能な人数や有効期限を設定可能。また、OutlookやOutlook Expressなど多くの電子メールソフトとの連携をサポートしており、通常使っている電子メールソフトを使って、ワンクリックで暗号化ファイルを送信することができる。暗号化ファイルを受け取った関係者は、メールに記載されている認証コードを入力して認証を行い、有効期限の間のみ暗号化ファイルを開くことが可能となる。なお、暗号化ファイルの閲覧には、ビューアとして「CypherGuard for PDF」が必要。

 サービスの応用例としては、「応募者情報以外にも、設計書や技術書の安全な共有、M&Aや新規プロジェクトなど極秘情報の管理、さらには顧客情報を扱う部門などでも活用でき、重要な情報を特定のメンバーだけで閲覧したい、また重要な情報に有効期限を設定したいといったニーズに幅広く対応できる」(吉田氏)という。

 利用料金は、「お手軽プラン」と「使い放題プラン」の2種類を用意し、利用規模に応じて選択できる。お手軽プランは、ライセンス認証数が月間100認証までで、初期費用が5万2500円、月額利用料が5万2500円。認証数超過時は、1認証あたり210円となる。使い放題プランは、ライセンス認証数が無制限で、初期費用が5万2500円、月額利用料が31万5000円。

 同社では、個人情報の取り扱いに高い関心をもつ上場企業を中心とした2万社程度をターゲットに、初年度100契約を見込んでいる。販売にあたっては、初年度は自社サイトでの直販を中心に展開し、今後ビジネスパートナー経由での販売も広げていく考え。



URL
  サイファー・テック株式会社
  http://www.cyphertec.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.cyphertec.co.jp/press/090115.html


( 唐沢 正和 )
2009/01/15 15:57

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