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FortiWeb-1000B
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FortinetのCTO、マイケル・ジー氏
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米Fortinetは2月17日(米国時間)、Webアプリケーションファイアウォール(WAF)アプライアンス「FortiWebシリーズ」を発表した。まず、中/大規模向けの「FortiWeb-1000B」を提供する。
もともとはUTM(統合脅威管理)アプライアンスの専業ベンダーとして知られる同社だが、2008年には、米IPLocksから取得した技術をもとにデータベースセキュリティアプライアンス「FortiDB」をリリースし、アプリケーションセキュリティの分野に進出。今回のWAF提供で、さらに同分野に本腰を入れてきた。
これについてFortinetのCTO、マイケル・ジー氏は、「顧客から特定の領域でセキュリティを高めたいという要望をもらっている。Web サービスはエンタープライズでも一般的になり、社内的にWebサーバーが増えていることもあって、その保護に対する需要は増えている」と述べ、事業領域の拡大は顧客のニーズに基づくものだと説明する。
WAFの市場には現在、Imperva、F5 Networks、Citrix、Barracudaをはじめさまざまなベンダーが参入しており、完全な後発となるFortinetにとって、これらとの競争は楽なことではない。しかしジーCTOは、「2年間の投資で市場動向を調査しており、成熟したWAF製品になっていると思う。また機能以外の強みとして、4万件にもおよぶホスト、サーバー保護ビジネスの経験を反映していること、グローバルリサーチチームによるリアルタイムな保護、といった点が挙げられる」と述べ、十分戦っていけるとの見方を示している。
第1弾として提供されるFortiWeb-1000Bは、WAFとXMLファイアウォールの機能を持つほか、搭載するASIC「FortiASIC CP6」のXML/SSLオフロード機能によって、Webアプリケーションの高速化も可能。また、Webサーバーのロードバランシング機能を備えている。
一方、FortiDBでは、第1弾の中規模向け製品「FortiDB-1000B」に続き、小規模向け「同-400B」、大規模向け「同-2000B」の両製品を2月6日に発表。ラインアップを拡充し、市場のニーズに応えていくという。FortinetにとってはWAF同様、新市場へのチャレンジということになるが、こちらがWAFと異なるのは、いち早くデータベースセキュリティを手掛けたIPLocksの実績がバックボーンになっているという点。日本法人の責任者も兼ねる、米Fortinet チーフストラテジスト 副社長極東アジア経営責任者の坂本明男氏はかつて、IPLocksのCEO兼共同創設者を務めており、この分野のビジネスを熟知しているのも強みといえる。
ただし、現在のFortinetのパートナーは主にネットワークセキュリティ系に強いところが中心。アプリケーションセキュリティ製品を販売していくためには、新たなパートナーとの関係を築く必要がある。フォーティネット日本法人では、こうした点を踏まえて国内での販売を進めたい考えで、新たなパートナーとの協業など、ビジネスの整備を進めるとしている。
■ URL
フォーティネットジャパン株式会社
http://www.fortinet.co.jp/
プレスリリース
http://www.fortinet.co.jp/news/pr/2009/pr021809.html
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( 石井 一志 )
2009/02/18 14:33
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