Enterprise Watch
最新ニュース

メッセージラボ、Webトラフィックから脅威を取り除くSaaS型新サービス


メッセージラボ、代表取締役の山本誠治氏
 メッセージラボジャパン株式会社(以下、メッセージラボ)は2月18日、SaaS型Webセキュリティサービス「Managed Web Security Services(以下、MWSS)」を発表した。3月1日から国内提供を開始する。

 メッセージラボは、企業へのトラフィックを中継して、脅威を取り除いてからユーザーへ届けるマネージドセキュリティサービスを提供する企業。2008年の米Symantecによる英MessageLabs買収を受けて、現在はシマンテックのSaaS部門という位置付けで活動を始めている。

 これまで国内では、メールのSaaS型セキュリティサービスを提供してきた。企業に届くメールを中継してウイルスやスパムを排除するもので、独自開発の人工知能「SKEPTIC」をベースにした5段階の複合スキャンシステムを活用するのが特長。「ウイルス検知率100%、誤検知率0.0001%以下のSLA(Service Level Agreement)のほか、世界世界12都市、16カ所のデータセンターにおけるサーバー冗長化により、稼働率100%のSLAも実現しているのが強み。最近はスパムが瞬間的に増加する“スパムスパイク”という現象も起こっており、アプライアンスの処理能力を上回ることがあるが、当社のサービスではそうした爆発的なトラフィックにも対応できる」(メッセージラボ、代表取締役の山本誠治氏)とのことだった。


メッセージラボのサービス概要 SKEPTICをベースにした5段階の複合スキャンシステム インフラ冗長化による高い信頼性

Webセキュリティサービスの概要
 今回、このメール版に加え、ユーザーのWebトラフィックを中継する新サービス「MWSS」を追加する。これにより、サービスレンジを広げる狙い。MWSSでもメールセキュリティサービスと同様に多層フィルタを活用し、ユーザーのWebトラフィックをすべて中継することで、HTTP経由のマルウェアを遮断。加えて、URLフィルタリングやダウンロードコンテンツの精査も実行する。アンチウイルスエンジンには商用の3つのエンジンを利用。SKEPTICがこれらをコントロールし、シグネチャの管理などを行う。SKEPTICは、メールセキュリティサービスとで同期が図られるため、脅威情報やシグネチャの共有が可能となる。

 山本氏によれば「MWSSでは、ポリシーエンジンが強化されており、分かりやすいルール構築が可能。URLフィルタリングでは企業単位のアクセスポリシーのほか、各従業員やグループ単位でのポリシー設定にも対応する。また、ダウンロードコンテンツの精査では、例えば、MIMEタイプや拡張子を指定して、特定の動画・画像ファイルを遮断することが可能。これらのWeb活用状況や、最新の脅威情報を可視化するレポート機能も備える」という。

 メッセージラボでは、MWSSを国内提供するにあたり、国内2カ所に冗長構成化されたデータセンターを開設。「ユーザーエクスペリエンスが重要なWebアクセスでも、中継して問題なく利用できる安定した環境が整った」(同氏)としている。

 なお、MWSS以外にも今後、IM・モバイル・VoIPに関する同様のサービス展開も検討中とのこと。



URL
  メッセージラボジャパン株式会社
  http://www.messagelabs.co.jp/

関連記事
  ・ シマンテック加賀山社長、「2009年はお客さまを大事にする年に」(2009/01/06)
  ・ 日立情報が英Message Labsと協業、ASP型メールセキュリティサービスを開始(2008/02/28)
  ・ 「爆発的なスパムの増加にも対処できます」、SaaS型のメリットを語るメッセージラボ(2007/12/26)


( 川島 弘之 )
2009/02/18 17:30

Enterprise Watch ホームページ
Copyright (c) 2009 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.