Enterprise Watch
最新ニュース

チェック・ポイント、Software Bladeアーキテクチャ採用の最新セキュリティゲートウェイ


代表取締役社長の杉山隆弘氏

アプライアンスソリューションのラインアップ
 チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ株式会社(チェック・ポイント)は3月10日、セキュリティゲートウェイソリューションの最新版「Check Point R70」を、2009年末をめどに出荷開始すると発表した。業界初の「Software Blade」アーキテクチャを採用している点が特徴という。また、新製品の発表にあわせて記者説明会を開催し、2008年の事業概況および2009年に向けた事業戦略などを説明した。

 代表取締役社長の杉山隆弘氏は、まず2008年の事業展開について、「拡散するセキュリティテクノロジーを統合し、アプライアンスソリューションへの移行を推進した結果、厳しい経済状況の中でも好調な成長を維持し、欧州&アジア地域での2008年の販売実績は、5年前に比べて2倍となった。日本市場においても、社長に就任した2006年8月1日時点から、2009年3月10日までの四半期ベースの売り上げは2倍に成長している。特に、アプライアンスソリューションの2008年の販売実績は、台数ベースで前年比5倍、金額ベースで同3倍を達成した」と説明し、セキュリティアプライアンスベンダーとしての地位を確立したこと強調した。

 2009年の事業戦略としては、1)NOKIA製品の統合も視野に入れたアプライアンスソリューションのさらなる拡張、2)革新的なITセキュリティアーキテクチャの提供、3)製品の強化・進化、の3点を掲げており、「今後も、業界唯一のエンタープライズネットワークセキュリティ専業ベンダーとして、ユーザーが簡単に使えるアプライアンスソリューションのラインアップをさらに拡充していく」考えを示した。


セキュリティ技術本部 本部長の西野謙一氏

Software Bladeアーキテクチャの仕組み

ソリューションを構成するための2つの選択肢
 今回発表のCheck Point R70に採用したSoftware Bladeは、この戦略を推進する基盤技術として開発した新たなアーキテクチャとなる。セキュリティ技術本部 本部長の西野謙一氏はこれについて、「当社では、Software Bladeをセキュリティの構造ブロックと定義している。各構造ブロックは、独立したモジュラー形式で提供され、集中管理が可能となっている。具体的には、ファイアウォール、VPN、IPS(侵入防御システム)などの機能を、相互運用性のあるモジュラー型のセキュリティソフトウェアコンポーネントとして提供。各ブレード機能をベースプラットフォームとなるSoftware Bladeコンテナに搭載し、システム設計することで、柔軟なアプライアンスソリューションを実現する」と説明した。

 この業界初の技術により、ユーザーは、あらかじめ用意されている20種類以上のSoftware Bladeから、導入環境が必要とするセキュリティ機能だけを選択し、事前定義されたSoftware Bladeコンテナに組み込むことで、独自のセキュリティ環境を容易に構築することが可能となる。また、導入開始後にセキュリティ機能の拡張を行う場合も、新たなハードウェアの増設・設置を行うことなく機能をシステムに追加できるため、導入コストや運用コストを大幅に削減することができる。

 新製品のCheck Point R70では、Software Bladeアーキテクチャを採用することで、企業規模の大小にかかわらず、セキュリティニーズに包括的かつ柔軟に対応できるとともに、モジュラー化された必要な機能とパフォーマンスを集中的に管理できる機能を備え、容易な導入・管理、コスト効果に優れた高度な拡張性を提供する。

 特に、セキュリティ、パフォーマンス、管理を大幅に強化したIPSとして「IPS Software Blade」を新たに組み込んでいる点が大きな特徴。IPS Software Bladeでは、クライアントからサーバー、OSの脆弱性、マルウェア/ワーム感染およびその他に対する幅広い防御を、IPSが統合されたファイアウォール機能とあわせて最大10Gbpsの優れたシステムパフォーマンスで実現する。また、ISP設定フローを利用することで、ダイナミックなIPS管理が可能となり、IPSの専門家ではないセキュリティ管理者でも簡単に利用できるモードや、ネットワークに対する高いセキュリティ設定と制御、可視性を実現した綿密なIPS運用など、多様なユーザー要件に最適なソリューションを提供する。

 さらに「IPSイベント解析」Software Bladeを活用することで、時系列ビュー、多次元ソート、コンフィデンス・インデックス機能により、重要なデータのリアルタイムかつ集中的な解析が可能となる。このほか、ビジネスビューからフォレンジックレベルまで解析レベルを瞬時に掘り下げて、詳細な情報を理解することも可能となっている。


Check Point R70におけるPower-1 9070 IPSのパフォーマンス IPSブレードのモニタリング画面


URL
  チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ株式会社
  http://www.checkpoint.co.jp/
  ニュースリリース
  http://www.checkpoint.co.jp/pr/2009/20090310software-blade.html


( 唐沢 正和 )
2009/03/10 16:59

Enterprise Watch ホームページ
Copyright (c) 2009 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.