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富士通、特許業務支援システム「ATMSシリーズ」の機能を強化

分析・ワークフローの機能強化に加え、検索対象特許も増加

 富士通株式会社は10月9日に記者発表を行い、特許業務支援システム「ATMSシリーズ」に特許管理・調査機能を強化して、11月4日より販売を開始すると発表した。同社では、年間に10,000件以上の特許出願を行う国内50社のうち、現在同システムを利用している20社に加えて今後3年間で新たに10社、年間1,000件以上の特許を出願する企業も含めて今まで30社だった顧客を300社までに拡大したい考え。

 ATMSシリーズは、特許管理システム「ATMS/PM2000」、特許調査システム「ATMS/IR.net」、特許出願システム「ATMS/PPW」の3製品により、特許に関わる一連の機能を提供するもの。ATMS/PPWは1000社に導入され、推定55%のシェアを獲得している。また、今回新機能を追加したATMS/PM2000、ATMS/IR.netについては製造業の出願上位50社を中心に今まで30セットの販売を行っており、企業の知的財産部門だけでなく製品開発を行う技術部門での利用も視野に入れたシステムとなっている。

 ATMS/IR.netの新機能としては、1993年以降10年間の米国特許データベース350万件を対象にした検索サービスオプションを初期費用3,000,000円、月額150,000円で、1979年以降17年間の国内特許600万件対象にした検索サービスオプションを初期費用2,000,000円、月額230,000円で、週3回、年間で40万件もの更新が行われる特許庁の発行するデータベースの更新状況と連携するASPサービスを初期費用500,000円、月額50,000円で提供する。また富士通研究所の開発によるテキストマイニングエンジンを搭載、他社の特許取得状況を把握・分析して視覚的に表示する機能強化を行った特許分析サービスを初期費用2,000,000円、月額150,000円で提供する。

 ATMS/PM2000の新機能としては、IR.netと連携して特許審査経過情報までのデータを自動更新する機能オプションを2,000,000円で、開発部署が製品を登録して、これに抵触する他社の特許を監視し、メールで通知を行うオプションを3,000,000円で提供する。また、自社の特許内容を評価して休眠特許などの維持コスト削減や、自社や他社の特許バランス分析が行えるワークフロー機能を強化したオプションを2,000,000円で提供する。

 これらの新オプションのうち、ATMS/PM2000のワークフローオプションのみ11月4日より、そのほかのオプションは2004年1月5日から提供される。


富士通株式会社GLOVIA事業本部長 林曉氏
 同社GLOVIA事業本部長 林曉氏は、同製品の特徴として「自社特許部で15年の運用実績があり、また社内特許の管理と他社特許の調査・分析をシームレスに連携できる点も競合他社製品との違いになる」とした。また「特許庁では現在ペーパーレス化を推し進めており、2003年7月からはXMLによる特許出願が認められている。さらに2年後にはインターネットによる出願が想定され、今後特許関連ソリューションの重要性は増していく」と語った。

 同社では10月15日から17日まで、科学技術館で開催される「2003特許・情報フェア」に同製品を出展する予定。



URL
  富士通株式会社
  http://jp.fujitsu.com/
  プレスリリース
  http://pr.fujitsu.com/jp/news/2003/10/9-1.html
  特許業務支援システム「ATMS」シリーズ
  http://software.fujitsu.com/jp/product/mng/atms/
  「2003特許・情報フェア」
  http://www.jij.co.jp/event/pif/


( 岩崎 宰守 )
2003/10/09 20:52

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