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日本IBM、サーバーなどのITリソースを自動配分するソフトウェアを発表


 日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は11月4日、ネットワークやサーバーなどのITリソースを、自動配分するソフトウェア「IBM Tivoli Intelligent ThinkDynamic Orchestrator(以下、Tivoli Orchestrator)」の販売を開始したと発表した。


Tivoli Orchestratorの機能イメージ
 Tivoli OrchestratorはサーバーやネットワークなどのITリソースを、一時的に大きな処理能力が必要とされる業務や処理などに自動的に割り当てることができる。例えば、あるサーバーの稼働を監視し、業務が集中して負荷が高くなりサービスレベルが低下したことを感知すると、ポリシーに沿ってあらかじめプールしておいたサーバーにアプリケーションを導入し、負荷の高い業務を割り当て、負荷を分散させることができる。負荷が一定の基準値を下回ったら割り当てたサーバーを切り離し、別のアプリケーションを導入するなど、ほかの業務を割り当てることができる。

 Tivoli Orchestratorは、IBM製以外のWebアプリケーションやサーバー、データベースにも対応している。Tivoli Orchestratorに付属する「IBM Tivoli Provisioning Manager」にアプリケーションなどのイメージと環境構築のワークフローをあらかじめ登録しておくことで、導入を自動的に行うことができる。また、ワークフローの実行ステータスや、ネットワーク環境、稼働しているITリソースの利用状況をモニタリングすることもできる。


ソフトウェア事業 Tivoli事業部長 石原明氏
 ソフトウェア事業 Tivoli事業部長の石原明氏は「ITリソースは負荷のピーク時を想定した構成で導入されるが、それらの通常時の稼働率は平均で約25%と効率が悪く、またITリソースの監視や配備を人手に頼っているため、管理コストがかさむ傾向があった。Tivoli Orchestratorの導入は管理コストの削減とITリソースを効率的活用につながる」と述べた。また想定される用途について「例えば人気商品の発売時にアクセスが集中するインターネット販売などトランザクション処理が日により大きく変化するケースや、テスト環境の構築などシステム環境を頻繁に変更するケースに最適」とした。


 常務執行役員 ソフトウェア事業担当の堀田一芙氏は「Tivoli OrchestratorはIBMのe-ビジネス・オンデマンドを構成する“自動化”にあたる製品」と位置づける。また、「先日開催されたテニスのUSオープンにおいてシステムを専用機を使わずに構築し、Tivoli Orchestratorの自動配分機能を実験した。負荷がかかっていない間はタンパク質解析といった、まったく関係ない処理を行わせていた」と語った。


常務執行役員 ソフトウェア事業担当 堀田一芙氏 USオープンでの利用事例

 価格は管理するサーバー1CPUあたり505,600円より。Tivoli Orchestratorをインストールする管理サーバーの対応OSはWindows 2000 Server、AIX 5.2(64-bit)、Red Hat Linux Advanced Server 2.1。なお、出力メッセージやマニュアルなどが日本語に対応したバージョンは2004年上半期に販売を開始するとのこと。



URL
  日本アイ・ビー・エム株式会社
  http://www.ibm.com/jp/
  Tivoliのトップページ
  http://www-6.ibm.com/jp/software/tivoli/


( 朝夷 剛士 )
2003/11/04 18:19

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