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日本IBM 常務執行役員の堀田一芙氏
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日本IBMは、Java開発環境による新開発ツール「WebSphere Studio RADツール(開発コードネーム・ソウル)」を来年春にも投入する考えであることを明らかにした。
日本IBMの堀田一芙常務執行役員は、「Linuxベースのシステムを普及させるためには、優れたJava開発ツールの整備が必要。とくに、システム部門をもたないSMB市場のユーザーは、パッケージをベースに導入をすすめる必要があり、そのためにも、ソフトメーカーやユーザーが簡単にJavaベースのソフトを開発できる環境を整備することが早急の課題となっている。少なくともVisual BASIC並の使い勝手をもったツールが必要だと思っているが、まだまだ不十分。新たな開発ツールは、Visual Studio .NETに比べて2倍近い生産性を実現するもので、これによりJavaベースのアプリケーションソフトの整備に拍車がかかることになる」とした。
同開発ツールは、全世界規模で進められているプロジェクトだが、日本語化については、日本IBMの大和研究所が担当している。
「すでに完成に近いレベルにまで到達していることから、まずはWebSphereにβ版を無料バンドルして配布することも検討したい。早期に使ってもらうことが先決」とした。
一方、ソースネクストを通じて1980円での販売を開始した「ロータス 1・2・3」が予想を上回る売れ行きを見せていることを明らかにするとともに、「今後、ロータス事業部が持つ他のオフィス系アプリケーションソフトを1980円で投入する可能性もある」との考えを示した。
ロータス 1・2・3は、1980円で出荷以来、一部調査機関の調べでは、表計算ソフト分野で7割を超えるシェアを獲得するなど順調な出足を見せている。
「社内的には、1980円で投入できる他のオフィス系アプリケーションソフトもあることから、このラインアップを増やすべきとの意見もあがっており、今後、ラインアップを強化することも視野に入れている。まずは、ロータス 1・2・3の好調な売れ行きが瞬間風速的なものでないかどうか、約3カ月程度様子を見てから、具体的な検討を開始したい」としている。
ロータスでは、ロータス 1・2・3のほかに、ワープロ「ワードプロ」、データベース「アプローチ」、個人情報管理ツール「オーガナイザー」、プレゼンテーションソフト「フリーランス」などのアプリケーションソフトがある。
なお、「IBMが、ロータス製品をオフィススイートのパッケージとして新たに製品化し、Microsoft Officeと再度競合させるという考えはない」とした。
また、同社では、ソフトウェア製品に関するオンライン販売の比率が2割程度まで上昇していることを明らかにした。
ソフトウェアのテレマーケティング部門を前年の15人体制から60人体制へと増強。テレマーケティングの拠点である幕張事業所から、ソフトウェア販売部門だけを切り出し、五反田のソフトウェア事業部門の本拠へと移管、ソフトウェア事業部門と完全連動した形で推進している。
テレマーケティング部門では、ライセンスのリニューアル時期の更新手続きが最も多いが、各種イベントでの見込み顧客に対するアウトバウンド型の営業展開も強化しており、オンライン販売の比率を高めたい考えだ。
( 大河原 克行 )
2003/11/17 11:13
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