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NTTソフトの代表取締役社長、鈴木 滋彦氏
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ほかの開発言語とCipherCraft/Curlの比較表
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CipherCraft/Curlの利用例
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NTTソフトウェア株式会社(以下、NTTソフト)は、セキュリティ機能を強化した開発・実行環境「CipherCraft/Curl」を2月2日より販売を開始すると発表した。これは同社と米Curl Corporationが、Curl社の開発言語「Curl」の開発・実行環境に、NTTソフトの暗号エンジン「CipherCraft」を組み込み、共同で開発したもの。同製品の販売価格は現段階では未定だが、実行環境のクライアント台数ベースのライセンスと、開発ライセンスとして販売される見通し。
開発言語のCurlは、リッチクライアントを実現するためのプラットフォーム製品。もとはMITで開発されたもので、サーバーとの通信を極力減らしてクライアントサイドで処理を行うことで、従来のWebアプリケーションでは実現できなかった高速処理を可能にする。また、オブジェクト指向のプログラミングもカバーしており、描画・処理・ハンドリングのすべてをCurlで行うことができるため、従来JavaやHTMLなど複数の言語を組み合わせて行っていた開発が、Curlのみで行えるようになるという。
CipherCraftは、複数の共通鍵、公開鍵暗号アルゴリズムをサポートする暗号ライブラリで、NTTソフトの代表取締役社長の鈴木 滋彦氏によれば「当社のセキュリティビジネスの中核ともいうべき製品」。そのデータの暗号/復号化には、NTT研究所と三菱電機が共同開発した純国産の「Camellia」を採用し、3DES、AESなど多くの暗号化方式に対応している。
この両者の長所を生かして提供されるのがCipherCraft/Curlで、同製品を用いて開発・実行されるシステムでは、通信や保管データを暗号化。認証された正当なユーザー以外の利用を制限することで、第三者がデータを閲覧してしまうようなことを防ぐ。具体的な用途としては、電子入札や電子投票などの電子政府関係、電子カルテなどの医療関係、オンライントレーディングなどの金融関係が想定されているが、「システムは複雑になればなるほどセキュリティは必要になる」(鈴木氏)ことから、ほかの業種にも広く普及させたい考えだ。
なお、販売に際しては同社から直接購入するルートのほか、「開発・実行環境」という性質上、その上で動く業務アプリケーションなどとともにSIから販売するルートも想定されている。また学校関係などへの販売も行っていく意向で、まずは広く普及させることを目的に展開されるとのこと。NTTソフトでは同製品の販売に関して、2004年度に1億円、2005年度に3億円を目標としている。
■ URL
NTTソフトウェア株式会社
http://www.ntts.co.jp/
米Curl Corporatio(英語)
http://www.curl.com/
プレスリリース
http://www.ntts.co.jp/wn/WhatsNew/040119_NR.html
( 石井 一志 )
2004/01/20 18:48
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