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ヴイエムウェア、仮想サーバーの管理ソフトを販売


 ヴイエムウェア株式会社は2月2日、同社のサーバー仮想化ツールで作成した仮想サーバーの管理ソフトウェア「VMware VirtualCenter(以下、VirtualCenter)」の販売を開始したと発表した。

 VirtualCenterは、IAサーバー上で動作するサーバー仮想化ツール「VMware ESX2 Server(以下、ESX2 Server)」で構築した仮想サーバーの一元管理を行うソフトウェア。同社のサーバーの仮想化とは、1台の物理サーバーのリソース(CPUやメモリ、ディスク、NICなど)を仮想化し、複数のサーバーOS、およびアプリケーションを同時に稼働させることを指す。VirtualCenterにより物理サーバーをリソースプールとして管理でき、サーバーOSごとのリソースマッピングやサーバー負荷のダイナミックな移動などが可能となる。

 「ESX2 ServerはホストOSなしで動作し、カーネルとなるVMkernelがOSの下のレイヤーでリソースのスケジューリングを行う。OSが動作しているそれぞれの仮想マシンは完全に独立し、ファイルやリソースの競合は起きない。仮想マシンのステートはカプセル化されファイルに保存することができ、別の物理サーバーに移動することも可能だ」(シニアシステムズエンジニア 名倉 丈雄氏)また、物理サーバーのメンテナンスなどの場合においても、仮想サーバー上で動作しているアプリケーションを止めることなく稼働する物理サーバーを1、2秒で移動させることも可能だという。


VMware VirtualCenterの概要 VMware ESX2 Serverのアーキテクチャ 稼働中のシステムをホスト間で移動するホットマイグレーション

米VMware代表取締役社長 ダイアン・グリーン氏
 米VMware代表取締役社長のダイアン・グリーン氏は「ESX2 Serverによりサーバー使用率の向上、サーバーデプロイメントにかかる時間の短縮を実現する。複数のプラットホームが混在する企業のシステム環境においてハードウェアに依存せずに複数のOSを一元管理できることは、ハードウェアベンダーが提供する管理ツールでは不可能なことだ」と優位性を強調する。

 VirtualCenterの対応OSは、Windows Server 2003/2000 Server/XP Professional。ESX2 Serverによって仮想サーバーの構築が可能なOSは、上記のほかWindows NT 4.0(SP4)、Red Hat Linux 7.3以上、SuSE Linux 8.2/Enterprise Server 8.0、Novell Netware 5.1(SP6)/6.5。価格はVirtualCenter単体で50万円だが、管理対象となるサーバーのCPU数や台数により異なるとのこと。販売は当初NECおよびネットワールドを通じてのみとなる。


ヴイエムウェア代表取締役 ジム・レノックス氏
 ヴイエムウェアは米VMwareの日本法人で2003年5月に設立しているが、VertualCenterの発表に併せて日本市場への本格参入を正式に発表した。ヴイエムウェア代表取締役のジム・レノックス氏によると、数カ月中に人員の増強など日本での活動強化を行っていくという。「日本法人はパートナーを通じた販売とサポートに特化した業務となる。ESX2 ServerにおいてはIBMやHPとグローバルなパートナー関係をもっており、VirtualCenterなどにおいても同様にしていく予定だ」(レノックス氏)

 なお、米VMwareは2004年1月に米EMCによる買収が完了しているが、グリーン氏によると、今後も独立した子会社として活動し、VMwareブランドも存続するとのこと。



URL
  米VMware(日本語)
  http://www.vmware.com/jp/
  製品情報
  http://www.vmware.com/jp/products/vmanage/vc_features.html

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  ・ 米EMC、米VMwareを6億3500万ドルで買収(2003/12/16)


( 朝夷 剛士 )
2004/02/02 19:23

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