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シービヨンド、J2EEをサポートするEAI製品群の最新版を日本市場に投入


 株式会社シービヨンド・テクノロジー・コーポレーションは、オープンスタンダードをベースにしたEAIツール群「SeeBeyond Integrated Composite Application Network(ICAN)Suite v5.0」の構成製品群を5月上旬より順次国内出荷する。


米SeeBeyond Technology Corp. Pacific Rim 統括Vice President Scott West氏
 SeeBeyond ICAN Suite 5.0は、従来のEAIツール「e*Gate」の新バージョンを含むスイート製品。新たにJ2EEに完全準拠したほか、Webサービスの標準技術を取り入れるなど、サービス指向アーキテクチャ(SOA)に基づく柔軟なシステムの統合が行え、エンドユーザーが自らGUIでビジネスプロセスを構築できる点が特徴といえる。

 米SeeBeyond Technology Corp.でPacific Rimを統括するVice Presidentで、現在国内のシービヨンドの責任者でもあるScott West氏は、「ICANは、14年間培ってきたインテグレーションの経験により、ワンソース、ひとつの開発チームから生まれた製品」と述べ、合併によらない一貫したラインアップによる優位性を語った。また「異なるインフラの結合でも、カスタマイズは不要で、そのメンテナンスコストも削減する」とし、「プログラムレスでビジネスプロセスの拡張が行えるなど、IT分野に新しい概念を導入するもの」と述べた。そして「来日してから5カ月、今回の最新製品リリースでビジネスを拡大していきたい」と語った。


株式会社シービヨンド・テクノロジー・コーポレーション 技術本部 マネージャー 六戸 力氏

ICAN Suite v5.0では既存EAIツールのラインアップを大幅に拡充し、レガシーからWebサービスまでの連携をサポートする
 同社技術本部マネージャーの六戸 力氏は、「企業内でのERPなどのITインフラ整備は一巡したとの見方がある。既存インフラを生かしながら、次の段階として顧客サービスの向上などを目標にした企業システム環境の統合が模索されている」と国内企業の現状を述べた。そして「既存のEAIやBPMのツールでは、ベンダごとに特化された特有の技術が必要だった。限定されたサービスをコンポーネント化して組み合わせ、変化対応力の高いITシステムを実現するSOAに基づいたICANで、ビジネスバリューのあるアプリケーションを提供したい」と述べた。

 ICAN 5.0は、従来製品「e*Gate」の後継となるシステム連携基盤「eGate Integrator 5.0」、「e*Insight」の後継製品「eInsight Business Process Manager 5.0」、ビジネスプロセスやバックエンドと連携するWebサービスをノンプログラミングで作成可能な「eVision Studio 5.0」、SSOでのアクセス管理も可能で、Webサービスの配信なども行えるポータル構築製品「ePortal Composer 5.0」の4製品を基盤に、ビジネスプロセス開発製品「Enterprise Designer」、管理製品「Enterprise Maneger」により、共通のデザインでの一元的な開発管理環境が提供される。

 eGate Integrator 5.0は、J2EEアプリケーションサーバーとJMSメッセージングサーバー、UDDIリポジトリの機能を内包するシステム連携の基盤となる製品。Webサービスをネイティブにサポートする一方、ホストなどのレガシーシステムなどの接続アダプタも備え、既存インフラ資産を生かしたシステムの構築が可能だ。実行環境としては、WeblogicやWebspherといった他社のJ2EEサーバーなどのオープン環境をサポートする。

 eInsight BPM 5.0は、ビジネスプロセス表記の標準仕様である「BPMN」、XMLをベースにしたWebサービスにおけるビジネスプロセスの定義仕様「BPEL4WS」などの標準技術をサポートし、Webサービスやシステム、企業間でのビジネスプロセスやワークフローを自動化するBPM機能を備える。


BtoBでの購買発注プロセス作成デモが行われた。アイコンを実際のプロセスにあわせてドラッグ&ドロップで配置していく 生成プロセス内でのデータマッピング画面。数式を用いて商品と価格のデータを受け渡す 作成プロセスを実行環境に配置すると、自動的にデプロイされる

株式会社シービヨンド・テクノロジー・コーポレーション 営業本部 部長 柏木 武志氏
 このほか、用途にあわせた導入が可能なオプション的な製品として、「e*Xchange」の後継製品で、取引先の定義やプロトコル管理を行うためのB2B機能を提供する「eVision Studio 5.0」、大量データの抽出/変換/ロード処理に最適化したETLエンジン「eTL Integrator 5.0」、B2B構築で取引先に導入する最小構成ソフトウェア「eXpressway Integrator 5.0」企業内外のデータベース間をひも付けし、情報を一元化する「eView Studio 5.0」、情報をリアルタイムでモニタリングするアプリケーションを作成可能な「eBAM Studio 5.0」が順次提供される。

 同社営業本部 部長 柏木 武志氏は、「価格については実利用環境を想定し、パートナーの意見も聞きながら構成に変更を加えて価格を抑えたい」とし、これまでのユーザーに加えて、新規に50社への販売を行いたいとした。また「実際に業務を行うエンドユーザーでも理解できる開発が行える点がメリットとなる」と述べ、「先行する海外事例などの豊富な導入ノウハウで、既存のプロセスに組み込むアプローチを提示したい」とした。



URL
  株式会社シービヨンド・テクノロジー・コーポレーション
  http://www.seebeyond.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.seebeyond.co.jp/news/n040217.html


( 岩崎 宰守 )
2004/02/17 19:46

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