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アンテナハウス、処理性能を向上させたXML組版ソフトの新バージョンを発表


 アンテナハウス株式会社は3月10日、XML組版・閲覧ソフト「Antenna House XSL Formatter V3.1」と、XML帳票・レイアウト作成ソフト「XSL Template Designer」を発表した。両製品とも、W3Cで勧告された世界標準仕様のレイアウト指定言語「XSL-FO(Formatting Object)」に基づいているのが特長という。出荷開始はそれぞれ3月中旬、4月上旬から。


処理性能を向上させた「XSL Formatter V3.1」

代表取締役 小林 徳滋氏
 同社の代表取締役、小林 徳滋氏によれば「XMLはPCで情報を交換したり処理したりするためのもので、人間はレイアウトされたものに慣れているので、レイアウト指定言語が必要」という。XSL-FOはそのレイアウト指定言語の世界標準であり、XSL Formatterは、XSL-FOで書かれたコンテンツを紙に印刷したり、PDFで出力したりするための組版ソフトウェアになる。

 XSL Formatterの主な用途として小林氏は、1)XMLで編集したマニュアルやドキュメントを印刷・出力すること、2)サーバーで自動生成したPDFを、社内文書や顧客向けレポートとして配布すること、の2つがあるとし、前者の例としてヒューレット・パッカードやノキアなどでのマニュアル作成に用いられていること、後者の例として金融機関でステートメント(計算書)やレポートとして配布されていること、をあげた。XSL-FOは汎用の言語であるため、この2つのようにまったく異なる使われ方をされ、「1)では何万ページもの組版をしたい、2)ではサーバーで瞬時に作成させたい、というように、異なった、しかも非常にシビアな要求がある」(小林氏)。そこで同社ではこれらの課題を解決するため、クライアントでの使用を前提に設計されていた旧アーキテクチャを全面的に見直すなどの改良を行い、V3.1では従来のV2.xを大幅に上回る大量処理の実現、処理速度向上などを達成できたという。

 同ソフトの対応OSは、サーバーがWindows XP/2000/NT 4.0/Server 2003、Solaris 8/9(SPARC版)、Red Hat Linux 8.0以降、SUSE LINUX 8.1。価格は、サーバーライセンスが500,000円、スタンドアロンライセンス(Windowsのみ)が120,000円、開発ライセンスが200,000円。なお、保守契約を結んでいるV2.xのユーザーは、無償でV3.1にバージョンアップできる。


プログラムレスで帳票レイアウトが可能な「XSL Template Designer」

 XSL Template Designerは、XML帳票のレイアウトをGUIを使った操作で作成できるソフトウェア。Windowsの画面を見ながら対話形式で帳票のレイアウトができるWindowsクライアント用ソフト「GUI Designer」と、作成されたレイアウト定義ファイルと手元のXMLデータからXSL-FOを生成するランタイム「Runtime Engine」の2つのコンポーネントからなる。

 通常、XMLデータからXSL-FOを作成するには、XSLTスタイルシートを使って変換を行うため、XSL-FOなどの仕様に関しては一定の知識が必要。しかし、同ソフトではGUIで帳票設計と印刷ができるためそういった専門知識は不要で、生産性の向上が見込めるという。

 対応OSは、GUI DesignerがWindows XP/2000で、Runtime EngineはXSL Formatterが動作する環境と同じ。価格は、Template Designer単体の場合が300,000円、Formatter V3.1の開発キットとセットの場合が450,000円。



URL
  アンテナハウス株式会社
  http://www.antenna.co.jp/
  プレスリリース(XSL Formatter V3.1)
  http://www.antenna.co.jp/news/xsl-fo31_20040310.htm
  プレスリリース(XSL Template Designer)
  http://www.antenna.co.jp/news/xsl-td_20040310.htm


( 石井 一志 )
2004/03/10 20:52

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