日本電気株式会社(以下、NEC)は3月17日、同社のミドルウェア製品群「VALUMOウェア」におけるシステム管理ソフトウェアとして、ITリソースやソフトウェアのプロビジョニングを行う「WebSAM Provisioning Master」、システム状態の監視やリソースの割当・管理を行う「WebSAM ASManager」の販売を開始した。
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WebSAM Provisioning Masterの概要
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WebSAM Provisioning Masterは、サーバーやストレージなどのハードウェア、およびOSやアプリケーションなどのソフトウェアといったITリソースを統合的に管理し、必要に応じてそれらのリソースの割当や切り離し、ソフトウェアのインストールや設定などを自動的に行うミドルウェア。例えばサーバーに障害が発生した場合、自動的に予備のサーバーに必要なソフトウェアをインストール・設定した上で元のサーバーとの置換を行うことで、短時間で業務を復旧させることができる。システムソフトウェア事業本部長の寺尾実氏によると、ハードウェアからソフトウェアまでシステム全体のプロビジョニングを1パッケージ化したのは「業界初」とのこと。
製品はサーバーやストレージ、ネットワークのプロビジョニングとOS・ミドルウェアのインストールと設定を行う「WebSAM Provisioning Master PF」と、業務アプリケーションのインストールを行う「WebSAM Provisioning Master AP」で構成される。価格は、WebSAM Provisioning Master PFが920万円からで4月21日出荷予定、WebSAM Provisioning Master APが287万円からで6月出荷予定。対応ハードウェアは基本的にNEC製品、ソフトウェアはOSがWindows 2000 Server、Windows 2003 Server(IA-32)、HP-UX(PA、IPF)、ミドルウェアはWebLogic、WebOTX、MCOperation、MCOne、ASManager、SystemManager。
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WebSAM ASManagerの概要
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WebSAM ASManagerは、システムを構成するハードウェアやソフトウェアの稼働状況やサービスレベルを監視し、障害の原因究明や処理能力の低下を検知するミドルウェア。また、過去の障害情報や復旧手順をナレッジデータベースに蓄積し、障害発生時に復旧作業をサポートする「WebSAM MCOperations」と組み合わせることで、サービスレベル低下や、単一または複数の要因による障害の原因究明と対処を短時間で行うことができる。なお、WebSAM MCOperationsは、今回新たにOracle 9i、10gのナレッジデータが追加されている。価格は、WebSAM ASManagerが115万円からで4月21日出荷予定、WebSAM MCOperationsが172万円から。
同社では今回発表された新製品で、今後3年間で600システムの販売を見込んでいる。
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執行役員 伊久美功一氏
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今回発表された製品は、いずれもシステム全体を統合的に管理することが特徴となっているが、一方で対応する製品が限られているため、マルチベンダーの製品が動くシステムでは、管理できない製品が出てしまう恐れがある。これについて執行役員の伊久美功一氏は「グリッドなどでは一部標準化への動きがあるが、システム管理での標準化への動きはまだないため、一社で各社の製品にそれぞれ対応していくのは難しい」とし、「管理ツールはそのメーカーのシステムに置き換えさせるための武器となっている」と現状を説明した。
■ URL
日本電気株式会社
http://www.nec.co.jp/
プレスリリース
http://www.nec.co.jp/press/ja/0403/1702.html
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( 朝夷 剛士 )
2004/03/17 16:50
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