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日本テレロジック、構成管理ツールの日本語版を国内出荷


 スウェーデンTelelogic AB.の日本法人である日本テレロジック株式会社は3月29日、構成管理ツール「SYNERGY/CM 6.3a 日本語版」(以下、SYNERGY/CM)の出荷を開始した。すでに昨年11月より出荷している変更管理ツール「SYNERGY/Change4.3a」とともに、開発プロジェクトにおける構成管理と変更管理をシームレスにサポートするスイート製品として日本市場に展開する。

 SYNERGY/CMは、自動車メーカー、銀行、金融、携帯電話事業者など大規模なシステムを開発・管理する企業に多く採用されている構成管理ツールで、バージョン管理、プロジェクト管理、進ちょく状況レポート、割り当て作業のToDoリスト作成など、チーム開発を支援する各種機能を提供する。既存のバージョン管理ツールや構成管理ツールの多くは、ファイルをベースに構成を管理することが多い。しかし大規模なシステム開発では、ひとつの変更のために複数のコンポーネント、ディレクトリ、ファイルが影響を受けるため、SYNERGY/CMでは、ファイルではなくタスクをベースにしてソフトウェア構成を管理している。


プロジェクト管理の画面 バージョン管理の画面 ToDoリストの画面

 SYNERGY/CMで最も特徴的な機能に「ActiveCM」がある。これまでのバージョンではアドオンツールとして提供されていた機能で、タスクのチェックインやチェックアウトなど構成管理および変更管理に伴う開発者とシステムとのやり取りを、バックエンドで自動的に実行する。ActiveCMによって自動化される構成管理のオペレーションは全体の90%におよび、ソフトウェア開発者はわずらわしい構成管理作業に時間をかけることなく、開発作業にのみ注力することができる。


スウェーデンTelelogic AB. 製品管理部門担当バイスプレジデント ジャン・ルイ・ヴィニョー氏
 また、分散型システム開発に対応するコンポーネントベースの構成管理や、リリース管理、コンポーネントの再利用(コンポーネントの資産化)など、SYNERGY/CMは大規模システムにおけるソフトウェア開発のサポートが非常に充実している。スウェーデンTelelogic AB.製品管理部門担当のバイスプレジデントであるジャン・ルイ・ヴィニョー氏は、「ツールを用いず手作業で構成管理した場合、大規模プロジェクトでは作業全体の50%の時間が費やされている」とし、「納期の遅れ、予算の超過、さらにこうした圧力によるミスといった悪循環を打破し、変化し続ける企業環境に寄与するだろう」とした。

 同社では要件管理ツール「DOORS 6.0a」、UMLモデリングツール「TAU Generation 2」、テストツール「TAU Tester」も提供しており、今回のSYNERGY/CMの提供により、国内でもアプリケーションライフサイクルマネジメント(ALM)全体をサポートした。

  日本テレロジックでは販売パートナーを持たず、基本的に直販のみでSYNERGY/CMを提供する。これは導入される企業に対して綿密なコンサルテーションを行うことで、より高い導入効果を得るためとのことで、今後も大手自動車メーカーや携帯電話事業者などの大規模システムを中心に、国内の開発サポートツール市場へのさらなる進出を目指している。



URL
  日本テレロジック株式会社
  http://www.telelogic.com/jp/
  Telelogic SYNERGY
  http://www.telelogic.com/jp/products/synergy/


( 北原 静香 )
2004/03/29 12:44

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