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マイクロソフト、Windows XP SP2 RC1をベータテスタ向けにリリース


 マイクロソフト株式会社は3月30日、Microsoft Windows XP Service Pack 2(SP2)日本語版のRelease Candidate 1(RC1)をリリースしたと発表した。

 今回リリースされたのは開発途中のRC1で、ソフトウェア開発者やIT管理者といったベータテスタへの提供によるフィードバック収集を目的としたもの。2003年12月リリースのWindows XP SP2ベータ版へのフィードバックをもとにしており、製品化にあたって仕様変更の可能性がある。同社では正式版を2004年前半中に提供する予定としている。


WindowsセキュリティセンターとWindows Firewall

 主にセキュリティ機能を中心に強化されているWindows XP SP2の新機能として、ファイアウォール、自動更新機能および他社製ウイルス対策ソフトウェアの状態などを監視し、更新や対策の必要性をユーザーに通知するなど、これらを一元的に設定可能な「Windowsセキュリティセンター」をコントロールパネル内に追加した。

 またこれまでのInternet Connection Firewall(ICF)が「Windows Firewall」と名称変更され、デフォルトで有効になっている。また設定UIの改善により、有線と無線LANなど複数のネットワークを利用する場合に双方のファイアウォール設定の管理が可能になっている。

 WindowsセキュリティセンターとWindows Firewallに関しては、Active Directoryのグループポリシー機能により、集中管理が可能となっている。

 さらにSUS 2.0より名称変更されたWindows Update Services(WUS)クライアントとして、パッチ適用状況レポートでの新エンジン採用、ダウンロード中断時のレジューム機能の追加がなされている。このほかWindows UpdateがV5へアップデートされている。


セキュリティセンターではファイアウォール、自動更新のほか、他社アンチウイルスソフトの設定も行える Active Directoryに参加するPCでは、グループポリシー機能により管理者が設定を行う

IEのポップアップ抑止をはじめとした設定変更・機能強化点

 IEでは、Windows XP SP2ベータ版ではデフォルトで無効となっていたポップアップ抑止がRC1では有効になっており、ポップアップをブロックした際にはアドレスバー直下にメニューが現れ、一度だけ表示、許可サイトのみ常時表示、といった選択が可能になる。またローカルなイントラネットに対しては、ポップアップ抑止をしない設定となっており、同社では業務アプリケーションへの影響は最小限としている。またActiveXコントロールを使用した自動ダウンロード実行の際にも、同様にメニューが現れてユーザーに確認を求めるようになっている。

 IEに加えOutlook Express、Windows Messengerでも、ファイルタイプをリスト化して危険性のある.exeや.vbsなどの添付ファイル処理時にユーザーに判断材料を提供するAttachment Execution Services(AES)のAPIに対応した。添付ファイル実行時には送信者を改めてユーザーに通知するという。またこのAPIにより、添付ファイル処理の機能を開発時にアプリケーションに追加することも可能となっている。またOutlook Expressでは、HTMLメール内の画像データなどのコンテンツダウンロードがデフォルトで無効になっている。

 このほかポップアップ広告の実行などを行うネットワーク管理ツールであるWindows Messenger Serviceを無効化した。なおこのサービスはインスタントメッセージ「Windows Messenger」とは別のものとなる。

 さらにバッファーオーバーラン低減のため、Visual Studioの最新版を使用し、コンパイラオプション「/GS」を設定して全コードをリコンパイルしている。またRPCサービスの特権レベルを下げる、COMの実行許可をはじめとしたDCOMでのアクセス制限機能の追加などにより、ネットワーク接続時の攻撃リスクを軽減している。

 このほかWindows XP SP2では、Windows Media Player 9 Seriesでのセキュリティ設定方式の変更、Bluetoothサポートの更新、DirectX 9.0bでのWindows Firewallへの対応のほか、手書き文字認識エンジンの性能向上を図ったWindows XP Tablet PC Editionの次期バージョンも含まれており、タブレットPCにインストールすることで自動的にTablet PC Editionの最新版にアップグレードされる。また従来のサービスパックで提供される各種の強化機能やアップデートも含まれている。



URL
  マイクロソフト株式会社
  http://www.microsoft.com/japan/
  プレスリリース
  http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=1872
  Windows XP Service Pack 2プレビュープログラム
  http://www.microsoft.com/japan/technet/prodtechnol/winxppro/sp2preview.mspx


( 岩崎 宰守 )
2004/03/30 13:02

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