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サン、JavaやSolaris向け統合開発ツールの新製品を発表

Microsoftとの和解については「何も変わらない」

 サン・マイクロシステムズ株式会社(以下、サン)は4月6日、Javaアプリケーションの統合開発ツールの最新版「Sun Java Studio Enterprise 6」と、Solarisシステム向けのアプリケーション開発ツールの新製品「Sun Studio 8」の販売を開始した。また、GUIベースのJava開発ツール「Java Studio Creator(コードネーム:Project Rave)」の早期評価版を4月9日より同社のWebサイトにて公開すると発表した。

 Sun Java Studio Enterprise 6は、現在発売中の「Sun ONE Studio 5」のアップグレード版にあたるもの。標準仕様のJava開発ツール「Sun Java Studio Standard」をベースに、特に「Java Enterprise System」環境で動作するアプリケーション開発に最適化されているのが特徴。また、価格体系も通常のライセンス方式(新規:284,000円、アップグレード:149,000円)のほか、Java Enterprise Systemとの同時使用時に限り導入企業の従業員数をベースとした年間ライセンス料金(従業員1人当たり550円)が用意される。出荷開始は4月下旬を予定している。

 Sun Studio 8は、Solaris向けのC、C++、Fortranアプリケーションのビルド、コンパイル、デバックを行うための開発ツール。従来製品の「Sun WorkShopファミリ」や「Forte Developer 6ファミリ」と比べてコンパイルやアプリケーションの実行速度が向上したほか、64ビットアプリケーションの生成に対応した。価格は新規が449,000円、アップグレードが150,000円。

 Sun Java Studio Creatorは、Visual BasicライクなGUI環境でソースコードの記述なしでアプリケーションの開発が可能なツール。同社によると「例えば部門内だけで利用するような比較的簡単なアプリケーションを短時間で構築したいというユーザーを対象とした」とのこと。発売は夏ごろを予定しており「びっくりするくらい安価な価格」(同社)で提供するという。

 さらに同社は、OSや開発ツールなどの最新機能を製品の発売前に定期的にユーザーに提供するサービス「Software Express」を開始したと発表した。現在はSolaris 10においてコミュニティに参加するユーザーを対象に行っているが、今後ほかの製品でもサービスを提供する予定とのこと。


Sun Java Studio Creatorの概要とイメージ Software Expressのイメージ

Javaの本質はコミュニティ

プロダクト&ソリューションマーケティング本部本部長 山本恭典氏
 新製品の発表会で同社はJavaについて(1)コミュニティベースであること、(2)難解な開発環境ではないこと、を強調した。プロダクト&ソリューションマーケティング本部本部長の山本恭典氏は「現状COBOLやC、C++などから新しい環境へ移行を望んでいるユーザーが多いが、習得の難解さや従来のノウハウが使えないなど多くの障壁がある」と問題点を指摘し、「Javaは開発環境を手に入れた時点で300万人が参加しているコミュニティに参加することができ、そこから多くのノウハウを吸収することができる」と優位性を説明した。さらに「Sun Java Studio Creatorによって従来難しいとされてきたJava開発環境の敷居を低くし、.NETと比べてプラットフォームの選択肢が広いJavaをマイクロソフトのユーザーにも広めたい」と述べ、Visual Basicユーザーをも取り込んでいく考えを示した。


常務取締役 末次朝彦氏
 同席した常務取締役の末次朝彦氏も「Javaは銀行や電力会社などのミッションクリティカルなシステムからPCや携帯電話などのデバイスまで幅広く利用されており、決してオタクのツールではない」とJavaが広く利用されていることを強調した。さらに「現状のデバイスだけでなく今後はICタグやセンサーなど、数にして兆単位の“物”がデータセンターなどにアクセスすることになる。それに耐えうるシステムの構築のため、今後はより容易にアプリケーションを開発できるツールと多くの開発者が必要となる。Javaコミュニティは現在の300万人から将来的には1,000万人にまで増やしたい」と語った。


現状のユーザー人口とトレンド、および新製品の位置づけ 同社の今後の目標

Microsoftとの和解については「従来と変わらない」

 また発表会では、4月2日(米国時間)に発表された米Sun Microsystemsと米Microsoftの和解について日本法人としての見解も語られた。山本氏は「知的財産におけるSunの主張をMicrosoftが受け入れたものと見ている。サンとしてはWindows製品のサポートがしやすくなった以外は従来と変わらない」と述べ、末次氏も「心情的に一部のユーザーががっかりするかもしれないが、オープンなSunとMicrosoftは今後も競合し続けるだろう」と、両社の関係は今後も従来と変わらないという見解を示した。なお、今回の件で日本においてサンとマイクロソフトとの接触はまだないとのこと。



URL
  サン・マイクロシステムズ株式会社
  http://jp.sun.com/
  プレスリリース
  http://jp.sun.com/company/Press/release/2004/0406.html

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( 朝夷 剛士 )
2004/04/06 16:35

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