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マニュジスティックス・ジャパン 代表取締役社長 新造 宗三郎氏
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マニュジスティックス・ジャパン株式会社は4月14日、3月よりスタートした同社の2004年度の事業戦略を発表した。
同社の代表取締役社長である新造 宗三郎氏によれば、「SCMはブームのあとの冷却期間をおいて、今後は本当の普及期になる。ERPは2003年~2007年の成長が年平均1%程度にとどまっている予測に対し、SCMは同8%程度が見込まれている」という。さらに日本では欧米よりも導入が遅れていることから、伸び幅は大きいのではないかとも言及した。
■ SCMは導入して終わり、ではない
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フォローアップ提供のための取り組み
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こうした市場の予測を背景とし、同社が2004年の戦略の柱に据えているのは、大きく3つ。1つ目は、継続的なフォローアップサービスの提供だ。これに関して新造氏は「SCMは一度入れて終わり、というものではない。当社では、Assess(評価)、Deliver(導入)、Operate(運用)、Evolve(発展)のサイクルモデルをお客様に示すことで、継続したステップアップを提供する」と述べる。
これはつまり、KPI(効果測定のための指標)を設定することなどで、顧客満足度や在庫水準などがSCM導入時の目標を達成できているかどうかを分析したり、改善余地がさらにあるのかどうかを検討したり、といった取り組みを行っていくということ。またこのほか、KPIやシステム運用、製品の使いこなしとなどに関するコンサルティングにも積極的に応じていく方針だ。
■ 利益向上を目指す新ソリューションの提供
2つ目としてあげられたのは、業種、ソリューションの範囲拡大を行うこと。まず全業種を対象として、価格最適化と需要計画を統合したDRM(デマンド&レベニューマネジメント)ソリューションや、パートナーとの情報連携によって計画の立案、修正を行うCPFR(Collaborative Planning Forecasting and Replenishment)ソリューションを提供する。特に、新造氏が「新たな柱として期待している」と語るDRMソリューションでは、コスト削減だけでなく、売上・利益の向上に結びつけることも可能なだけに、こうしたメリットを強調して広く展開していきたい意向だ。
また分野別を見ると、同社は食品・飲料・日用品などの消費財分野を得意としており、顧客のほぼ半分(49%)を占めている。新造氏は「ここに対する取り組みの強化も当然行っていくが、今までは4%に過ぎなかった流通業界にも、RFIDを利用したソリューションで訴求をしていく。また、組み立て製造業の分野にもより注力をする」考えを示した。
最後の3つ目は、パートナーとの関係強化。「スタート時にはたくさんのパートナーがいたが、現状は特定のパートナーのみとの深いおつきあいになっている」(同氏)ため、パートナーとの関係を活性化したい考えだ。制度や体制の見直しによって、同社製品を販売しているストラテジックパートナーとの関係を拡大するほか、コンサルティングパートナーとは、より上流のコンサルティングの段階から共同で案件をすすめるなど、順次パートナーとの関係を強化する意向。
■ 日・中・豪を最重点地域に
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米Manugistics グループバイスプレジデント兼マニュジスティックス アジアパシフィックオペレーションズ プレジデントのケネス・ウォレット氏
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なお、発表会見に同席した米Manugistics グループバイスプレジデント兼マニュジスティックス アジアパシフィックオペレーションズ プレジデントのケネス・ウォレット氏は「欧米で成功してきたGVSPプログラム、つまり顧客の成長を支援し(Growth)、最終的な利益向上を提供し(Value)、グローバルサプライチェーンの確立による安全性を提供し(Security)、1,200社に成功をもたらしてきた実績で裏打ちする(Proof)、こうした戦略の導入により、お客様に最も価値の高いソリューションを提供する。アジアパシフィックオペレーションズでは、これまでの3年間では提供地域の拡大を積極的に行ってきたが、これからは日本、中国、オーストラリアを最重点地域として投資を集中するつもりだ」と語っていた。
■ URL
マニュジスティックス・ジャパン株式会社
http://www.manugistics.com/japan/
( 石井 一志 )
2004/04/14 15:01
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