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日本SGI、3次元地図を利用したアプリケーションの開発ツールを発表


 日本SGI株式会社は4月14日、ゼンリン株式会社の100%子会社である株式会社ジオ技術研究所(以下ジオ技研)と、3次元GIS(地理情報システム)を利用したアプリケーションの開発ツールキット「GEO-Element(ジオエレメント)」を開発し、5月10日より発売すると発表した。


GEO-Elementのシステムアーキテクチャ

ブロードバンド・ユビキタスソリューション推進本部 新規事業推進統括 大塚寛氏
 GEO-Elementは、3次元地図データを利用したアプリケーションを開発するSIやソフトウェアベンダーを対象とした開発ツール群。3次元地図はジオ技研が提供する「Walk eye Map」の地図データを日本SGIの3次元地形表示エンジン「Soarer(ソアラー)」上で表示できる形式に変換したものを利用し、OpenGL Performerなどで開発されたオリジナルのデータと組み合わせたアプリケーションを開発することができる。

 Soarerは、地図内の視点から近いものを高精細に遠いものを粗く表示することで、容量が大きい3次元地図を一般のPC上でもリアルタイムで扱えることが特徴。日本SGI ブロードバンド・ユビキタスソリューション推進本部 新規事業推進統括の大塚寛氏は、「従来、当社のonyxのような数千万円規模の機器でしかできなかったことが一般のPCで可能となる」と説明する。PCの推奨スペックはPentium 4 3GHz以上、および128MB以上のグラフィックメモリを搭載したグラフィックカードとなっているが、説明会のデモでは一般のノートPCでもスムーズに地図データを閲覧することができた。

 利用用途として同社は、自治体やゼネコンなどによる再開発の景観シミュレーションや、警察・消防の緊急通報用2次元GISとの連携、災害対策シミュレーションなどの研究用途、実在する場所を舞台にしたオンラインゲームなどを想定している。また、「(開発側で)それぞれの端末に対応するビューアを用意することで、カーナビゲーションや携帯電話でも利用できる」(大塚氏)とのこと。すでにGEO-Elementの地図データを使ったカーナビゲーションシステムの開発も始まっているという。

 GEO-Elementの対応OSはWindowsとLinux。価格は開発ライセンスが630,000円、開発したソフトを別のハードウェアで動作させる場合に必要なランタイムライセンスが105,000円。3次元地図データは別料金で、主要都市中心部の高精細データを利用できる「Walk eye Map」が1平方キロメートルあたり210万円、高精細なデータを省いた「Walk eye Map Light」が1平方キロメートルあたり42万円。なお、要望により地図データを用意していない地区のデータ作成にも応じるとのこと。


GEO-Elementで利用できる3次元地図の例 実在の店舗なども詳細に表示できる


URL
  日本SGI株式会社
  http://www.sgi.co.jp/
  株式会社ジオ技術研究所
  http://www.geogiken.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.sgi.co.jp/newsroom/press_releases/2004/apr/3d_gis.html


( 朝夷 剛士 )
2004/04/14 19:28

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