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サン、アプリケーションのプロビジョニングを実現するソフトウェアを発売


 サン・マイクロシステムズ株式会社は4月20日、アプリケーションの配布・設定を自動化する「N1 Grid Service Provisioning system 4.1(以下、Service Provisioning system 4.1)」と、同社のブレードサーバーを対象とした仮想化・プロビジョニングソフトの最新版「N1 Grid Provisioning Server 3.1, Blades Edition(以下、Provisioning Server 3.1, Blades Edition)」の販売・出荷を開始した。


アプリケーションのプロビジョニングを行うService Provisioning system 4.1

Service Provisioning system 4.1のアーキテクチャ概要

サービスプロビジョニングの範囲
 Service Provisioning system 4.1は、SolarisのほかWindows・Linux・AIXなどのプラットフォームに対応したコンポーネントベースのアプリケーションやサービスのプロビジョニングを行うソフトウェア。実際にアプリケーションが動作するサーバー(リファレンスサーバー)から配備イメージをキャプチャしておくことにより、配布・インストール・構築・起動などの配備プロセスを自動化し、1回の操作で複数のサーバーに対して配布から起動まで行うことができる。

 また、配布前のシミュレーションや配布後のアプリケーションの管理、レポート作成、アプリケーションと別のサーバーにインストールされたアプリケーションやマスターサーバーに格納されているイメージとの比較などの機能も備える。なお、展開プロセスを記述したメタデータはXMLで記述されており、カスタマイズも可能。

 対応するアプリケーションは、パッケージ・カスタムなど特に定められていないが、「アプリケーションサーバーやその上で動作するアプリケーションに向いている」(プロダクト&ソリューション・マーケティング本部ソフトウェア担当の阿部恵史氏)ほか、Webサーバー、データベースサーバーなどのミドルウェアにも対応し、その上で動作するアプリケーションの配備から、カスタマイズ、パッチのインストールなどを行うことができる。

 価格は210,000円(税別)からで、ソフトウェアライセンスのみの販売のほか、コンサルティング・トレーニング・サポートなどのサービスが付属したパッケージも用意される。


Linuxにも対応したProvisioning Server 3.1, Blades Edition

 Provisioning Server 3.1, Blades Editionは、2003年7月に発売された「N1 Provisioning Server 3.0, Blades Edition」の最新版。シャーシ内に格納されたブレードサーバーを単一のシステムとして運用・管理でき、各サーバーの仮想化やプロビジョニングの自動化、GUI操作によるネットワーク構成の変更などの機能を備える。

 最新バージョンでは、プラットフォームが従来のSolarisに加えてLinuxにも対応したほか、「Solaris Flashアーカイブ」、「JumpStart」機能をサポートすることによるプロビジョニングの高速化、管理データベースとして従来のOracle 8iのほか組み込みデータベースの採用による選択が可能となるなどの変更が行われている。価格は588,000円(税別)から。


N1から「N1 Grid」へ

プロダクト&ソリューションマーケティング本部本部長 山本恭典氏
 同社は2004年1月よりエンドユーザーにおけるグリッドコンピューティングと、システム管理者においてのITリソースの仮想化を実現するソフトウェア体系「N1」を統合し、製品ブランドを「N1 Grid」と変更した。プロダクト&ソリューションマーケティング本部本部長の山本恭典氏は、新たなN1 Gridの目標について「ユーザーと管理者の両者から1つの集合体として扱うことができるシステムの実現」としている。

 N1 Gridの実行フェーズは「仮想化とインフラストラクチャプロビジョニング」「サービスプロビジョニング」「サービスレベルオートメーション」の3段階に分かれており、今回発表されたService Provisioning system 4.1はサービスプロビジョニングの実現、Provisioning Server 3.1, Blades Editionは仮想化とインフラストラクチャプロビジョニングの強化に位置づけられる。

 同社はサービスレベルオートメーションを実現するソフトウェアの来年中の発売や異種混在環境におけるインフラストラクチャプロビジョニングを実現する開発キットの提供を予定しており、山本氏は「決して実現不可能な目標ではない」ことを強調した。


N1 Gridシステムのサイクル 今回発表された製品の位置づけと現行製品 N1 Gridが目指す製品・技術体系


URL
  サン・マイクロシステムズ株式会社
  http://jp.sun.com/
  プレスリリース
  http://jp.sun.com/company/Press/release/2004/0420.html

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  ・ サン、「N1はプロビジョニングにフォーカスした技術」(2003/11/10)


( 朝夷 剛士 )
2004/04/20 21:46

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