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コグノス、BI関連ツール3製品を発売


 コグノス株式会社は、BIレポーティングツール「Cognos ReportNet 1.1」、モニタリングツール「Cognos NoticeCast 7 v2」、スコアカードツール「Cognos Metrics Manager 2.1」の3製品を5月11日より出荷する。


コグノス株式会社 マーケティング本部 本部長 藤城 薫氏
 マーケティング本部長の藤城 薫氏は、800億円規模のデータベース市場、5~600億円規模のERP市場と比較し「BI市場はここ5年で急激な伸びを示している」との調査結果を示し、「企業の経営情報の取り扱いに関心が集まっており、ERPやデータベースにも良い影響を与えていくのではないか」と述べた。

 米Cognosは2002年ワールドワイドのBIツール市場で、10.8%でトップシェアであるほか、国内のクエリ、レポート、分析といったBIツール市場のシェアでも22.4%でトップとなっている。BIについて「データベースやWebアプリケーション、さまざまなビジネスプロセスといったITインフラから、最終的に企業戦略に役立つ、成果を出す経営指標を効果的に抽出する重要なジャンル」とし、「BI専業としてのビジネスが評価されている」と述べた。


5つのツールからなる同社のBI製品群
 Cognos ReportNet 1.1は、WebブラウザからBIレポーティングが可能なツール。「多くのユーザーの利用を前提に、さまざまなデータソースから大量のレポートを速やかに作成できるスケーラビリティを備えた」という。

 新バージョンでは、キューブ内データ抽出用の定義ファイルのエクスポートが可能になったほか、メタデータを管理する「Content Manager」の多重化構成に対応した。またセキュリティ面でも、ReportNetのゲートウェイ-サーバー間での不正要求などの監視機能を備えたほか、これまで56bitが上限だった暗号化強度を168bitに高めるモジュールも提供される。また「WebSphere Portal」でのポータル表示、「DB2 Cube Views」の多次元メタデータに新たに対応したほか、SAP NetWeaverへの対応も強化されている。

 またExcel形式でのエクスポートでは、出力レポートだけでなく、レポーティング用のコンポーネントにも対応、書式付きのエクスポート、UNIXでのエクスポートも可能になった、このほかレポートのXMLやCSV、PDF、HTMLの各形式用出力ツールバーが追加された。さらに簡易ポータルのカスタマイズなどの新機能を備えた。

 Cognos NoticeCast 7 v2は、ビジネス状況のリアルタイム監視とイベント通知を行うツール。新規レポート投稿の通知やキューブ更新と同期したイベント監視を行う「Notification Events」、キューブ内データ値がしきい値を超えた際などに通知する「Performance Events」、データベースやデータウェアハウス内で、指定した変化が発生した時に通知する「Operational Events」の各製品からなり、BAM(ビジネスアクティビティモニタリング)を実現するものといえる。

 藤城氏は、「経営者だけでなく、現場の人間でも刻々と変わるデータをすぐに結果通知を行うニーズが増えている」とし、「月次、週次、日次でなく、ある指標を超えたらタイムリーにレポートを自動的に受け取れることで、機会の損失や対応の遅れを未然に防ぐ」と述べた。

 Cognos Metrics Manager 2.1は、企業経営における的確な経営指標を提示するスコアカード管理ツール。スコアカードの代表的な指標である「バランススコアカード導入が急激に始まりつつある」とした同氏は、「状況の変化や指標間の関連性を管理できるほか、NoticeCastとの連携で、経営指標でのしきい値を超えた場合にアラート通知もできる」という。

 新バージョンではリポジトリ格納データベースとして新たに「IBM DB2」に対応し、動作環境としてAIXもサポートしている。


コグノス株式会社 代表取締役社長 ジャック・トーマス氏
 コグノス株式会社 代表取締役社長 ジャック・トーマス氏はグローバルで前年比24%増となる6億8,300万ドルの売上げを記録した昨年度の業績を紹介。特にReportNetについては「2003年9月出荷以来4,000万ドルを売り上げ、これだけ立ち上がりの早い製品はほかにない」と述べた。

 国内での好調にも触れ、「4月からは経営陣を一新した新体制に移行し、従業員数も拡大、7月には新オフィスへ移転する」とのこと。これまで通りパートナーを通じた販売も重視しながら、「製品の価値を十分に理解してもらえるよう、企業顧客への直販も手がける」という。今日発表の新製品も世界に先駆けて日本で発売されるなど、今後1年間も引き続き新製品を投入して国内市場へのフォーカスを強めるとした。


日本アイ・ビー・エム株式会社 ソフトウェア事業 インフォメーション・マネジメント事業推進事業部長 中川 いち朗氏
 同社のグローバルパートナーである日本アイ・ビー・エム株式会社 ソフトウェア事業 インフォメーション マネジメント事業推進 事業部長 BI&CM担当の中川 いち朗氏は、「BI分野は、IBMが重点とする成長性の高い12の市場のうちのひとつ」と述べた。

 IBMの提供するRational、WebSphere、Lotus、Tivoli、DB2の主要製品5ブランドを「インフラを底支えするもの」と位置づけ、IBMでは「12分野それぞれでパートナーアライアンスによりエンドツーエンドのサービス提供を行っている」という。Cognosとも「BIだけでなく、コンサルティングからサーバープラットフォーム、研究所レベルでの検証体制など広範囲な提携を行っており、今後もBI市場活性化していきたい」とした。



URL
  コグノス株式会社
  http://www.cognos.com/jp/

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( 岩崎 宰守 )
2004/05/11 15:35

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