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日本IBM、「Webアプリケーションを超える」クライアントソフト新戦略を発表


 日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は5月17日、PCをはじめ携帯電話やPDAなどのモバイル端末から業務アプリケーションへのアクセスにおけるクライアントソフトウェアの新戦略として「IBM Workplace」を発表した。


日本IBM理事 ソフトウェアブランド&スペシャルティ担当 川原均氏(左)と、ソフトウェア事業ロータス・ブランド・マネージャ 澤田千尋氏(右)

IBM Workplace Client Technologyのアーキテクチャ
 IBM Workplaceは、「IBM Workplace Client Technology」と呼ばれる技術によって、「Webアプリケーションを超える機能や操作性と、サーバー側でのクライアント端末の集中管理による管理コスト削減の両立を実現する」(同社理事 ソフトウェアブランド&スペシャルティ担当 川原均氏)というもの。さらにIBM Workplace Client TechnologyはフレームワークにEclipse 3.0を採用し、Javaベースのミドルウェア製品群を利用するため、さまざまなクライアント端末のプラットフォームに対応できることも大きな特徴となる。

 ソフトウェア事業ロータス・ブランド・マネージャの澤田千尋氏は「Webアプリケーションは(HTMLの制約などによって)使い勝手やインターフェイスが不十分。一方でクライアント/サーバー型アプリケーションは新しいアプリケーションや修正パッチの導入などメンテナンス性に問題がある」と現状のクライアント環境の問題点を指摘。これに対しIBM Workplaceは、これらの双方の欠点を克服した「新しいクライアント環境を提供できる」と同氏は強調する。具体的な機能としてオフライン時でも作業を続行できること、Office文章の閲覧や簡易的な編集機能、個人ごとのユーザー環境の提供や必要なコンポーネントのダウンロード・自動更新、クライアントとサーバー間でのデータ同期などが挙げられた。

 IBM Workplaceに対応する製品として同社は、情報共有機能を中心としたミドルウェア製品群である「Lotusファミリー(Lotus WorkplaceとLotus Notes/Domino)」と、アプリケーションサーバー「WebSphereファミリー(WebSphere PortalとWebSphere Everyplace)」を提供する。このうちLotus Workplaceの最新版である2.0において、メールやスケジュール管理、インターネットメッセージング機能を持つ「Lotus Workplace Messaging」と、文章共有・管理の「Lotus Workplace Documents」が“IBM Workplace Client Technology版”として6月下旬より発売される。これらの機能はWebブラウザの代わりに「Workplace Client Technology Rich Edition」から一元的に利用できる。また、モバイル端末や組み込み制御機器などに対応する「Workplace Client Technology Micro Edition」を年内中に提供する予定。


IBM Workplace Client Technology版Lotus Workplace 2.0のイメージ PowerPointファイルなどMicrosoft Office文章の閲覧や簡易編集が可能

 IBM Workplace対応製品の価格は現在のところ未定となっており、「Lotus Workplace 2.0を発売する6月中には体系を含めて正式にアナウンスする」とのこと。

 また、2004年の第4四半期にはアップデート版の「Lotus Workplace 2.5」のリリースを予定しており「このバージョンよりアプリケーションの開発環境を提供し、SIやISVによるアプリケーション構築が可能となる」という。


Notes/Dominoの開発を継続、Lotus Workplaceとの連携強化へ

今後12カ月間のLotus製品ロードマップ
 Lotus WorkplaceはLotus Notes/Dominoと機能的に重なる部分があるため、これらを利用しているユーザーにとっては、どうかかわるのか気になるところだ。同社が示したロードマップによると、2005年初旬に「Lotus Notes/Domino 7.0」を発売し、さらに2006年には「同8.0」のリリースを計画しているという。同氏は「7.0では付属するテンプレートがIBM Workplace Client Technologyに対応する。さらに8.0ではNotes/Domino自体が対応し、NotesアプリケーションをIBM Workplace上で動作させることができる。つまりNotes/Dominoを最新版にバージョンアップをすることでIBM Workplaceとの連携が可能となる」と説明する。さらに同氏は「Notes/Dominoのアーキテクチャは不滅であり、(Javaベースの)Lotus Workplaceとの相互連携の強化に今後3年間で1,000億円以上の投資を行う」と、Lotus WorkplaceがNotes/Dominoの置き換えでないことを強調した。



URL
  日本アイ・ビー・エム株式会社
  http://www.ibm.com/jp/
  ニュースリリース
  http://www.ibm.com/news/jp/2004/05/05171.html

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( 朝夷 剛士 )
2004/05/17 19:08

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