Enterprise Watch
最新ニュース

マクロメディア、Flash対応のプレゼン/Web会議ツールを国内投入


 マクロメディア株式会社は、Web会議/プレゼンテーション/eラーニングが可能なソフトウェア「Macromedia Breeze日本語版」を6月7日より発売する。


マクロメディア株式会社 代表取締役/CEO 井上 基氏

マクロメディア株式会社 CTO 田中 章雄氏

マクロメディアでは、これまでのコンテンツ開発者向けから、ビジネスユーザー、コンシューマーへの市場拡大を目指す
 同社代表取締役/CEOの井上 基氏はカップヌードルを手に登壇、「インスタントであること自体が大きなバリューになる」とし、8,000万ユーザー以上に普及するプレゼンテーション作成ソフト「Microsoft Office PowerPoint」と、4億8,100万ユーザーが利用する「Macromedia Flash」を結びつけたBreezeこそ、「いますぐどこでも誰でも簡単にできる」ツールと述べた。そして「クライアントを選ばず、すぐWebコミュニケーションが利用できる点が、同様のプロモーションを行うマイクロソフトとの決定的な違いになる」とした。

 Breezeでは、再生ツールにFlashを用いながら、コンテンツのオーサリングツールとして通常のPowerPointをそのまま利用できる。プレゼンテーション用の「Breeze Presentation Platform」と、これに追加する形となるeラーニングシステム「Breeze Training Module」、さらに双方向のWeb会議やオンラインでの共同作業が行える「Breeze Live」から構成され、それぞれ同社によるホスティングサービス、またはサーバーライセンスの形で提供される。

 Breeze Liveのホスティングサービスは、5ユーザー以上からの販売で、1ユーザー8~10万円/年。サーバーライセンスは同時接続10ユーザーで1サーバー120万円。Breeze Presentation Platformのホスティングサービスは、1作成者アカウントで100万円、5アカウントで150万円。サーバーライセンスは5アカウントで312万円。Breeze Training Moduleは50受講者アカウントで、ホスティングが250万円、サーバーライセンスが300万円となる。

 同社CTOの田中 章雄氏は、同社のターゲットセグメントを、「従来のコンテンツ作成側となる開発者向けのものから、ビジネスの生産性向上を高めるビジネスユーザー向けのソリューション、また携帯電話へのFlash組み込みなど、コンシューマ向けの3つへ拡大するのが今後の会社の使命」と述べた。今回発表のBreezeは、このビジネスユーザー向けの製品となる。

 同社では「新情報が次々生まれる、また製品サイクルが早いなど情報共有のリアルタイム性が要求される業界」として金融、ハイテク、製造、製薬などで複数拠点を持つ企業からの需要を見込んでいる。すでにアメリカでは市場投入されており、「米3Dlabs.では7000人以上の社員・パートナーの92%を2日間で教育した実績がある。受講結果のトラッキングも可能」とのこと。また「アメリカでは、講義のPPT配布や遠隔授業に用いられるなど、大学をはじめとした教育市場でのニーズも大きい」という。

 Web会議システムでは、クライアントはFlash PlayerとWebブラウザのみで動作が可能なため、他のWeb会議システムのように専用のハードやソフトやネットワークは不要だ。また通常のWebカメラに対応している。

 eラーニングでは、「従来のeラーニングと比べて短いサイクルでやり取りされる情報の共有に向いている」という。オーサリングをPowerPointで行えることから、「企業が日々必要にしているコンテンツ不足を解消する」とのこと。


複数ウィンドウが配置されるWeb会議の基本画面。参加者へはメールでURLを送付する Web会議では、動画などやコンテンツの操作などをリアルタイムに共有できる コンテンツの上に書き込みを行うホワイトボードオーバーレイの機能

Excelなど、任意のアプリケーションをリモート操作することも可能 Breezeのコンテンツ作成メニューがPowerPointに追加される ラーニング用コンテンツでの小テスト作成画面

3者択一方式のラーニング用コンテンツなどを作成できる ラーニングの結果を把握できる管理者用のログイン画面 個々のユーザーごとに受講状況や正解率を把握できる

 同社プロダクトマネージャーの太田 禎一氏は回線帯域について「Web会議システムのライブカメラを使う場合でも50~300Kbps、さらにスクリーン共有を行っても500Kbpsあれば十分」とした。通信プロトコルは独自のRTMPで、TCP1935ポートを利用するが、「ホスティング側、サーバー側でHTTPのトンネリングを行えるため、ファイアウォール超えの通信での問題はほとんど出ていない。またオプションでSSLでの通信にも対応している」とのことだ。



URL
  マクロメディア株式会社
  http://www.macromedia.com/jp/
  プレスリリース
  http://www.macromedia.com/jp/macromedia/proom/pr/2004/breeze4.html


( 岩崎 宰守 )
2004/05/18 17:04

Enterprise Watch ホームページ
Copyright (c) 2004 Impress Corporation All rights reserved.