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ネットワールド、Windows UpdateのようなISV向けパッチ配布サービス


 株式会社ネットワールドは、ISV各社にソフトウェアアップデートの仕組みを提供する「InstallShield Update Service」を6月1日より提供する。またWindows Installer(以下、MSI)開発ツールの新バージョン「InstallShield DevStudio X日本語版」を5月28日より発売、6月21日より出荷することもあわせて発表された。


Windows Updateの汎用版「InstallShield Update Service」

InstallShield Update Serviceのシステム構成図

Windows Updateに似たWeb UI。メッセージ部分はHTMLを登録する
 InstallShield Update Serviceは、米InstallShield Softwareが2年前より欧米で提供しているサービス。個々のアプリケーション更新情報をエンドユーザーに通知する「Notificationサーバー」、複数製品やバージョンの情報と、それぞれのアップデータ適用可能状況を管理する「データベースサーバー」、Webブラウザからウィザード形式でアップデート配布の設定が可能な「パブリッシャーサーバー」から構成される。なお配布するアップデートプログラムを収録するWeb/ファイルサーバーは、配布企業側が別途用意する必要がある。

 ASP提供時の料金はオープンだが、同社オンラインサイトでは年間88,200円/50ユーザー。サーバーライセンスの価格は個別見積となる。

 配布を受けるエンドユーザー側には、アップデート通知を受けるためのエージェントがインストールされている必要がある。通知を受けたユーザーは、Webブラウザにより内容を確認してインストールが行える。こうした一連のUIはマイクロソフトのWindows Updateに酷似しており、同社では「ユーザーも違和感なく利用できる」としている。またWebを介さずにファイルダウンロードを行うUIや、ウィザード形式のUIも装備されているが、こちらもWindowsの標準的なダイアログと比べて違和感がない。

 サーバー側を見ると、数百万ユーザーを対象にできる拡張性や、時差配信などの機能も備えている。配布に関してもWebウィザードが用意され、.exeや.msiのほか、Windowsインストーラーパッチ形式(.msp)、InstallShield Professinal 6/7形式、.jar、またWebページ表示を行うhtmlやaspなどのファイル形式や提供時期、対象プラットフォームなどを設定できる。ユーザーへの通知を行わずに自動アップデートを行う「サイレント」での配布も可能となっている。


米InstallShield Software プロダクトマネージャー クリス・ワーナー氏
 米InstallShield Software プロダクトマネージャーのクリス・ワーナー氏は、「Windows XP SP2の環境では、約10%のアプリケーションが動作しなくなるとの資料もある」点、さらに「アプリケーションにもハッカー活動の影響が現われ始めている」ことを挙げ、「ISVもパッチ対応が求められている」とした。

 SymantecのLive Updateなど、アンチウイルスベンダーの間では、定義ファイル更新の必要性などからオンラインアップデートが一般的だ。しかし「通常のアプリケーションでは、高いコストと時間を要するCD発送などの手段が依然少なくない」という。また配布方法はどうあれ、「パッチがインストールされる保証はない」点も指摘した。またISVごとにパッチ配布の仕組みを開発することは、「高い費用とメンテナンスのために、コア製品の開発も遅らせる」とした。

 本サービスは、アプリケーションの利用状況やパッチの適用状況をレポートする機能を備えている。またアップデート以外のメッセージ告知をユーザーへ向けてHTML形式で行うことも可能になっており、「確実に継続ライセンス収入を得ることが可能になる」としている。レポーティングの機能では海賊版の利用状況を把握することも「原理的には可能」だが、「データ量や動作の問題から、標準機能としては提供していない」という。同社では「対応スクリプトをカスタマイズ開発できるだろう」と述べている。


インストーラー開発ツール「InstallShield DevStudio X日本語版」

米InstallShield Software インターナショナルセールス&オペレーション担当バイスプレジデント ジム・ライアン氏

株式会社ネットワールド マーケティング本部 取締役本部長 森田 晶一氏
 InstallShield DevStudio X日本語版は、Windowsインストーラのほか、JavaをベースにLinuxや各種UNIX、Palm OSやWindows CEなどのモバイルを含むマルチプラットフォームに対応したインストーラー開発ツール。同社オンラインサイトでの価格は、Professional Editionが239,400円(税込)、Premire Editionが367,500円(税込)。

 新バージョンでは、インストール前提条件の設定や、デバイスドライバウィザードの機能が追加されている。なお製品には50,000ユーザー限定版の「InstallShield Update Service Strater Edition」も付属し、Professionalでは更新通知のみ、Premireではアップデータの配布までをサポートする。

 米InstallShield Software インターナショナルセールス&オペレーション担当バイスプレジデントのジム・ライアン氏は、従来ではオプションの位置づけだったマルチプラットフォームへの対応について、「今後の成長が予測されるモバイル分野、また顧客からの要望により、サーバー分野でのシェアが拡大しているLinuxへも対応し、1製品、1インターフェイスで、WindowsからLinuxまでカバーする」と述べた。

 株式会社ネットワールド マーケティング本部 取締役本部長の森田 晶一氏は、「インストーラー開発ツールとしては世界シェアで約90%と、デファクトスタンダードといえるInstallShieldの最新版とともに、今度はエンドユーザーとメーカーの間のコミュニケーションパイプの仕組みという新しい技術にチャレンジしていく」と述べた。



URL
  株式会社ネットワールド
  http://www.networld.co.jp/
  プレスリリース(InstallShield Update Service)
  http://www.networld.co.jp/press/p040528-2.htm
  プレスリリース(InstallShield DevStudio X)
  http://www.networld.co.jp/press/p040528-1.htm
  米InstallShield Software
  http://www.installshield.com/
  InstallShield Update Service
  http://www.networld.co.jp/products/is/updateservice/default.htm
  InstallShield DevStudio X日本語版
  http://www.networld.co.jp/products/is/x/default.htm

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( 岩崎 宰守 )
2004/05/28 17:13

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