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米SSA グローバルマーケティング&コアテクノロジ担当副社長のマイク・ダンカリー氏
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SSA IDSの概略図。図の右上部分がSSA IDSのシステム部分。既存のデータベースに対し、あらかじめ定められたルールに基づいてインデックスを作成する。バッチ処理やリアルタイム検索はもちろん、独自のクライアントを別途作成することも可能
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インテリシンク株式会社は6月1日、3月に買収した米Search Software America(SSA)のSSA IDS(Identity Systems)を販売すると発表した。
SSA IDSは、個人データや商品データのあいまい検索・照合・ふるいわけ・重複検出・名寄せ処理などに特化したソフトウェアエンジン。データの表記ゆれや誤入力などの影響を最小限にする独自のアルゴリズムと、照合レコードを見逃さない信頼性が特長。
SSA IDSによる処理が適している例として挙げられるのが、「ブラックリスト」との照合だ。従来の検索では、完全一致や部分一致、または辞書データを用いて照合を行うのだが、あいまいな検索がなかなかできない状態だった。SSA IDSは、辞書ではなく、その語句の発音を重視した独自のアルゴリズムを用いて検索を行うことで、照合効率を向上させている。世界40カ国の中央・地方政府機関や公益企業、金融・通信・流通業界などで採用され、ユーザーの特定・重複検出・ブラックリストの照会などに使われている。
米SSAのグローバルマーケティング&コアテクノロジ担当副社長のマイク・ダンカリー氏は、「発音をキーとすることで、たとえばアラビア語の名前のようにアルファベット表記にすると数十から数百の表記パターンがあるものでも、確実にそして幅広く検索できるのです。アルカイダなどのテロリストに関する情報を照合するのにも最適です」と説明する。
日本語処理については、海外企業のために日本企業名や日本人名などのデータ処理を行っている実績があるとのこと。「SSA IDSは60カ国以上の国をサポートしています。その中には日本語も含まれているので、日本でも安心して使えます」とダンカリー氏は話す。とはいえ日本語だけを処理するよりも、日本語と英語など外国語が混在するシステムで利用した場合に能力が発揮できるといえるだろう。
もう一つの特徴に、SSA IDSは既存システムに容易に組み込めるという点が挙げられる。「検索用のエンジンとして、既存システムからAPIなどで呼び出して使えます。検索方法も、リアルタイム検索とバッチ処理に対応していますから、さまざまなシステムとあわせて利用できます」(ダンカリー氏)と説明する。実際、採用企業の7割は新規プロジェクトを構築するタイミングでSSA IDSを導入しているという。「もちろん、保険会社など顧客の過去履歴を急いで検索したいということで、単体で導入する例もあります」と、緊急に導入することも可能である点にも触れた。
同社では、SSA IDSをリスクの高い業務を行っている企業に販売していくとしている。同社取締役 マーケティング担当副社長の鈴木尚志氏は、「私が最近聞いた話によると、一部の金融機関ではテロリスト対策を紙ベースで行っているそうです。テロリストの名前が書かれた紙をじっくりと見て、そして顧客リストを人力で照合しているそうです。人間そのものが究極のあいまい検索エンジンといえばそれまでですが、こうした使い方をしているところではSSA IDSのよさを実感してもらえるとおもいます」と、日本でも十分市場があると話す。
SSA IDSの対応プラットフォームは、Windows、Linux、AIX、HP-UX、Solarisなど。対応データベースは、Oracle、DB2/UDB、SQL Serverなど。価格は最小構成で1,200万円から。
■ URL
インテリシンク株式会社
http://www.intellisync.co.jp/
プレスリリース
http://www.intellisync.co.jp/news/pressSSA_20040601.html
SSA IDS製品ページ
http://www.intellisync.co.jp/enterprise/ssa_ids.html
( 福浦 一広 )
2004/06/01 17:02
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