日本電気株式会社(以下、NEC)は、ITネットワーク統合製品群「UNIVERGE」を、中堅・中小企業向けにパッケージ提供する「UNIVERGEソリューション」6製品を6月1日より販売する。またソリューションの新規開発と検証、技術支援などを行う70人体制の「UNIVERGEサポートセンター」もあわせて設立する。
|
UNIVERGEを構成する製品群
|
UNIVERGEは、SIP対応IPテレフォニーサーバー「UNIVERGE SV7000」、「iExpress 5800Lite」、無線LAN製品「UNIVERGE WLシリーズ」をはじめとしたハードウェア、グループウェア「StarOffice21」、システム運用管理「WebSAM」といったソフトウェア、またネットワークリモート監視サービス「iNetValue」といったサービスから構成されており、今回同社では、中堅・中小企業向けにこれらを用途別にパッケージ化して提供する。なお大手企業向けには、部品提供によるSI構築スイートを今後展開していくという。
今回提供されるのは、レガシーからIPへと音声データを統合する「IPテレフォニーパック」(7月1日出荷、540万円/50電話機)、これにグループウェア「StarOffice21」とWeb会議、電子電話帳をセットにした「ユニファイドコミュニケーションパック」(6月1日出荷、450万円/50ユーザー)、安全性の高い無線LAN環境を構築可能な「セキュアワイヤレスLANらくモデル」(7月1日出荷、680万円/100ユーザー)、端末のネットワーク接続を制限し、持ち込みPCに対しての検疫も行う「ウイルス検疫VLANらくモデル」(8月末出荷、1,270万円)、ユーザー認証や暗号化技術による安全なリモート接続を実現する「セキュアリモートアクセスらくモデル」(8月1日出荷、170万円/100ユーザー)、顧客対応を製品開発やサービス向上に反映させる「IPコンタクトセンターパック」(7月1日出荷、1,700万円/50ユーザー)の6ソリューション。
|
|
|
VoIP環境を構築する「IPテレフォニーパック」。無線LAN、リモートアクセス、Web会議の各オプションも用意される
|
VoIPとFAX、メール、動画などの情報をグループウェアを介して連携させる「ユニファイドコミュニケーションパック」
|
セキュアな無線LAN環境の構築と端末/アクセスポイントの管理に対応した「セキュアワイヤレスLANらくモデル」
|
|
|
|
ネットワーク接続時に未登録PCを遮断、セキュリティ対策状況も確認する「ウイルス検疫VLANらくモデル」
|
社外からのリモート接続時にSSL/IPsecによる暗号化とRADIUS認証を行う「セキュアリモートアクセスらくモデル」
|
複数拠点をつなぎ、音声・データ・動画による顧客サポートを行える「IPコンタクトセンターパック」
|
|
日本電気株式会社 執行役員常務 瀧澤 三郎氏
|
「日本は、ブロードバンド・モバイル分野では世界最先端」とした同社執行役員常務の瀧澤 三郎氏は、こうしたインフラを背景に、UNIVERGEソリューションによって「ナレッジワーカーの無駄を解消し、組織内を横断可能にすることで、生産性を上げる」と述べた。ソリューション別で見た場合には、「IPテレフォニーパックが金額ベースで6割、数では7~8割を占めるだろう」としたほか、「ユニファイドが次の目玉で、顧客の要望によりこれらにセキュアワイヤレスLANがセットになるだろう。パック全体では約4000~8000を売り上げたい」と語った。
同社はレガシーPBXと、オープン系サーバー双方での高いシェアを背景に、「市場規模7,000億円弱と推定されるVoIP市場で、現在10%のシェアを中期的に20%、売上では3,000億円を目指す」とした。半年前にサーバー系から現在のポジションについたという同氏は、「音声系の難しさを痛感した」という。「実際対応すると、メタルの反射やノイズなどさまざまな問題が起こる。従来のデータ系だけでなく音声系の技術者は必ず必要になる。その意味で、NECにとって強い武器になる」とした。
なお同社では2002年にデータ系とPBX系の社内カンパニーの壁を取り払い、2004年1月にはブロードバンドソリューションセンターも開設している。センターにはこれまでにのべ4,500人来場しており、「この環境を明日からでも使いたい」と好評を得ているという。さらに3月には、2006年までに1,000社のパートナー獲得を目指す「UNIVERGEパートナープログラム」も開始している。なお同社では今回提供のソリューションを急拡大するため、販売パートナーへの特別なインセンティブも検討しているとのことだ。
|
NECブロードバンドソリューションセンターにおけるUNIVERGE導入効果
|
さらに同社ではアジア太平洋全域でのグローバル展開も推進し、特にアメリカでは、レガシーPBXで高いシェアを持つホテル、医療・業界向けに製品を開発中とのこと。「市場セグメントを切って、SI構築からスタートしたい」とした同氏は「現在の1,000億円弱の売上を早期に倍増したい」との考えを示した。
なお同社ではUNIVERGEの社内展開も進めており、NEC本社では今年度中に、またグループ各社にも来年度上期までに導入を完了させる。ブロードバンドソリューションセンター内での導入効果も試算しており、コピー/プリントアウト枚数で20%、会議延べ時間70%、これに伴う旅費交通費も15%削減しているという。
■ URL
日本電気株式会社
http://www.nec.co.jp/
プレスリリース
http://www.nec.co.jp/press/ja/0406/0101.html
NECブロードバンドソリューションセンター
http://www.sw.nec.co.jp/bsc/
( 岩崎 宰守 )
2004/06/01 16:46
|