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REMのコンサルティングスキームの概要
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CRM戦略グループ ディレクター 中本雅也氏
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ベリングポイント株式会社は6月8日、CRMコンサルティングソリューション「REM(Relationship Equity Management)」を同日より提供開始すると発表した。
REMは、従来のCRMとは異なるアプローチによって顧客のセグメンテーションを行い、それぞれが持つ価値を定量化した上で、具体的な施策の実行を支援するコンサルティングソリューション。従来のCRMでは、性別・年代・地域などをもとにした属性的なアプローチによって顧客分類を行っていたが、REMではライフスタイル、価値意識、顧客の心理などをもとに分類することで、的確なマーケティングを行えるようにする。
具体的には、「流行しているものをいち早く手に入れたい」「人よりもよいもので目立ちたい」「新しいものであれば多少高くても買う」など、年齢や性別ではなく各人の行動や好みに基づいたセグメンテーションを実施。ここで分類した各セグメント、たとえば「ファッションアイテム派」「ハイクオリティ派」「オリジナリティ追求派」などに対して、それぞれの市場規模や先行き(規模拡大の余地)などを分析し、シェア拡大に際して必要なマーケティング、プロモーション費用などを算定する。企業はこれを利用することで、どのセグメントにどのくらい注力すれば効果的か、またどのようなアプローチが必要か、といった戦略を立案できるようになるという。
ただしREMでは、CRM戦略グループ ディレクターの中本雅也氏が「トータルなソリューションを一気通貫的に提供することが特長」としているように、単にセグメント化のアプローチを支援するだけでなく、企業の持つ既存の顧客データ分析や新たな消費者調査からはじめ、前述のような分析・業務展開へのアシストや落とし込みの指示、最終的に顧客データを収納する統合顧客データベースの構築までを受け持つ。「個々のアプローチだけならすでに提供しているベンダはあるが、データベースの統合ということまでを含め、総合的に提供しているところはない。これらをすべて提供できることがREMのメリットだ」(同氏)。
ベリングポイントではREMの対象となる企業は特に限定していないが、「顧客の動向を把握したいと考えていながら、間に販売店などが入ってしまうために、なかなかその実態をつかめずにいる耐久消費財メーカーなどでは特に効果的ではないか」(中本氏)という。なお、こうしたBtoBtoCやBtoC以外に、多少仕組みを変えることでBtoBのビジネスモデルにも対応できるとのこと。
REMでは1案件に対して3~4人のチームで担当し、CRM施策展開までで最短6カ月、最終的なデータベース構築まででは最短10カ月ほどかかる見込み。コンサルティング費用は、終了までに要する期間、顧客規模などによって変化するが、200万件程度の顧客データベースを持ち、500万ユーザー程度のユーザーを有する企業の場合で、8,000万円から。ベリングポイントではREMに関して、年間10社、10億円の売り上げを見込んでいる。
■ URL
ベリングポイント株式会社
http://www.bearingpoint.co.jp/
( 石井 一志 )
2004/06/08 20:24
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