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ボーランド、変化するユーザーの要求に柔軟に対応する要求管理ツールを国内投入 |
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ボーランド株式会社は6月16日、要求管理ツール「Borland CaliberRM 6.5 日本語版」を日本市場に投入することを発表した。CaliberRMの日本語版はこのバージョンが初のリリースで、6月29日に出荷が開始される。 ■ 要求管理とは ソフトウェア開発の現場では、「高品質」「短納期」「低コスト」という相反する3つの要素が求められている。ボーランドではこれまで、設計・実装のフェーズでこれらの要素を満たす開発ツールを提供してきた。しかし3つの要素を確実にするためには、エンドユーザーの要求を明確に管理する必要があるとボーランドは考えている。つまり、設計・実装へのインプットとなる“要求”が高品質でなければ、開発の効率化、高品質化はありえないというのである。開発ツールがソフトウェア開発そのものの「スピード」に貢献するものだとすれば、要求管理は開発プロジェクトが進むべき方向を決めるものといえる。エンドユーザーの要求を聞いて理解し、開発者とエンドユーザーが共通の認識をもつことで、ユーザーの要求と、開発者の意図が同じベクトルに進むことができる。 ■ 要求の開発・管理を難しくする要因 ボーランドが示したデータによると、ソフトウェアの欠陥原因の60％近くは「要求に起因」しており、要求に起因するエラーの修正にはコストの80％以上が投入されているという。このような要求の管理を難しくする要因として、ボーランドでは次のような事柄を挙げている。・最初から要求が決まっていない ・要求の整理、分類が難しい ・要求は変化する ・要求の変化をうまく管理できない エンドユーザーが最初からシステムに対する要求を明確にしていることはまれであり、漠然とした要求をエンドユーザー自身が整理・分類することは困難である。そのため、日本ではシステムインテグレータなど開発サイドの技術者が、ユーザーにシステムへの要求をヒアリングし、要求としてまとめていくことが多い。ところが要求には「変化」がつきものである。市場のニーズや技術が変化すればユーザーの要求も自然に変化していく。 こうした要求変化に柔軟に対応できなければ、高品質・短納期・低コストは実現できない。またヒアリングした要求は、WordやExcelなどの文書にまとめることが多い。いわば「ドキュメントベース」の要求管理である。しかし、これではシステムの規模が大きくなるほどにドキュメントのバージョン管理や要求仕様の隷属関係などの管理が困難となり、要求の透過性が悪くなる。つまり、要求の変化に迅速に対応できなくなるのだ。 ■ 要求管理ツール「CaliberRM」
CaliberRMでは要求の漏れ・ダブりを発見し、本当に必要な要求か、またなぜ必要なのかが明確化されているかどうかといった要求の正しさを確認するツールである。要求の定義は文章によるStep by Stepの記述だけでなく、イメージやHTMLといったさまざまなデータも保管することが可能である。定義した要求は構造化して管理され、要求構造をツリービューなどから容易に変更することもできる。これらの要求データはチームで共有することによって、オンラインでディスカッションなどチーム開発に大きく貢献する。 ある時点での要求セットをベースライン化して保管しておくバージョン管理の機能も備える。これらのベースラインは並列表示させて比較できるので、要求データに対する追加、修正、削除などを確認できる。また、トレーサビリティ機能によって、要求の変更に対する影響を分析し、トレーサビリティ図などによってビジュアル的にシステムへの影響を判断できる。 CaliberRMの価格は、1クライアント32万円から。なお、CaliberRMの出荷にあわせる形で、構成管理・変更管理ソリューションの「Borland StarTeam 6 日本語版」も6月29日より出荷を開始する予定である。 ■ ＵＲＬ ボーランド株式会社 http://www.borland.co.jp/ ニュースリリース http://www.borland.co.jp/news/20040616_caliber_ja.html Borland CaliberRM http://www.borland.co.jp/caliber/
（ 北原 静香 ）
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