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富士通研と富士通、複数同時通話可能なユビキタストランシーバー技術を開発


 株式会社富士通研究所と富士通株式会社は6月29日、複数の相手に同時に音声通話できるユビキタストランシーバー技術「Push-to-talk over Cellular/Wireless(以下、PoC/W)」の開発を発表した。

 PoC/Wは、パソコンやPDA、携帯電話などの携帯機器を用い、携帯電話網や無線LANをはじめとしたワイヤレス網でIPインターネットプロトコルを用いて音声通話を行う技術。すでに米国で一部の携帯電話事業者がサービス提供しているほか、350社が参加する世界的なモバイルサービス標準化団体「OMA(Open Mobile Alliance)」で標準化も進められている。

 今回富士通研では、携帯電話事業者ごとに異なるパケット通信環境での音声データ通信の遅延や、時間帯などによる遅延幅の変動を検知することで、音声品質を自動的に最適化して音切れなく音声の遅れも少ない音声データの処理技術を新たに開発した。

 さらにワイヤレス網のパケット通信区間では、データを圧縮通信することで、同社によれば既存サービスの1/2となる1秒以下の応答性能によるスムーズな通話を実現している。これら技術によりOMAの要求仕様にも準拠しているという。

 PoC/Wサービスの制御プロトコルとしては、SIP/SIMPLE(Instant Messaging and Presence Leveraging Extensions)を利用することで、メンバーの状態管理や、音声の一斉同報の開始、メンバー間での話者権の管理、通知などが可能となっている。

 なお今回開発したユビキタストランシーバー技術については、業務サービスと組み合わせてリアルタイムにプレゼンス状況を通知する同社のサービス基盤製品「FLAIRINC」に適用していく。

 また、さまざまな通信網での検証、携帯電話を含むさまざまな端末展開の検討、業務システムとの連携機能強化などを進め、2004年度中に製品化する予定。



URL
  株式会社富士通研究所
  http://www.labs.fujitsu.com/
  富士通株式会社
  http://jp.fujitsu.com/
  プレスリリース
  http://pr.fujitsu.com/jp/news/2004/06/29-2.html
  FLAIRINC
  http://glovia.fujitsu.com/jp/products/flairinc/


( 岩崎 宰守 )
2004/06/29 19:37

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