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日本IBM、多様な環境に対応したモバイル向けのコンテンツ変換ソリューション


ソフトウェア事業 パーベイシブ・コンピューティング営業部 首藤薫氏
 日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は、モバイル端末向けのコンテンツ変換ソフトウェア「WebSphere Everyplace Mobile Portal V5」(以下、WEMP)を7月13日より出荷開始する。

 今回発表されたWEMPは、キャリアグレードのモバイル環境向けミドルウェアソリューション体系「WebSphere Everyplace Service Delivery V5(WESD)」の一環として提供される製品。WEMPを利用すると、個々のPDAや携帯電話の機種ごとにアプリケーションをカスタマイズしなくとも、エンドユーザーに音声、データ通信などのコンテンツを配信できるようになる。これによってコンテンツ提供者は、たとえば3種類のモバイル端末用にサービスを提供するときに、それぞれの画面に適したものを個別に用意する必要がなくなるため、開発コストの低減が可能になるという。

 これまでもHTMLベースのコンテンツ変換製品は、競合他社や日本IBM自身からも発売されてきたが、WEMPではコンテンツを作成するための仕組みに「XDIME(XML-based Device Independent Markup Extensions )」という形式を採用している。このメリットに関してソフトウェア事業 パーベイシブ・コンピューティング営業部の首藤薫氏は、「今までのHTML(を利用するシステム)では単なる変換作業を行うだけだった。しかし、XDIMEでは1つ1つのコンテンツの中身(テキスト情報)と全体の枠組み(スケルトン)に分けて作成されるため、スケルトンとデータそのものをうまく枠組みを変えながら変換できる」と説明した。

 またWEMPでは、これまで別個のシステムとして提供されていたコンテンツ変換やセキュリティ、開発などの各機能を、いわば「ポータルの傘の下に入る」(同氏)ことによって、一元管理していけるようになったという。WESDの中には、デバイス管理を行う「WebSphere Everyplace Device Management」、ユーザー管理に対応した「WebSphere Everyplace Subscription Management」、開発環境を統合する「Everyplace Toolkit for WebSphere Studio」などがすでに用意されており、これらと組み合わせることで、総合的なシステムとして提供できるとしている。

 さらにWEMPは、アクセスしてきたデバイスのプロファイル情報によって機種を見分け、その機種向けのコンテンツとして配信する仕組みで動作するが、オプションツール「WebSphere Everyplace Mobile Device Update」を使用すれば、新機種の情報をWebサイトからダウンロードできるため、新機種が登場するたびに発生していた追加の開発作業も軽減可能とのこと。これに関して首藤氏は「100%の製品をカバーするのは無理だろうが、ワールドワイドの80%程度はカバーしたい。これによって、日本だけでなくアジアや全世界向けのビジネスモデルも考えていけるだろう」とコメントしている。

 WEMPの対応OSはAIXとSolarisで、価格は1サーバーあたり2325万7500円から。WebSphere Everyplace Mobile Device Updateの価格は36万7500円から。



URL
  日本アイ・ビー・エム株式会社
  http://www.ibm.com/jp/
  プレスリリース
  http://www-6.ibm.com/jp/NewsDB.nsf/2004/07131


( 石井 一志 )
2004/07/13 19:08

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