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NEC、共通機能を組み込んだ「ユビキタスアプリケーション基盤」を体系化


 日本電気株式会社(以下、NEC)は7月27日、これまで個別に開発していたユビキタスソリューションの提供基盤を、体系化した「ユビキタスアプリケーション基盤」として提供すると発表した。


日本電気株式会社 執行役員常務 伊久美功一氏
 ユビキタスアプリケーション基盤は、RFID、双方向コミュニケーション、モバイルサービス基盤、認証、セキュリティ、端末適応、位置情報、プレゼンスの8つの基盤から構成される。それぞれの領域での基本機能があらかじめ組み込まれているため、基盤APIにあわせて各種サービスや業務固有の機能だけを開発することで、新規アプリケーションを開発できる。

 日本電気株式会社 執行役員常務の伊久美功一氏は、「Felica内蔵の携帯電話や食肉のトレーサビリティシステムなど、いまだ実証実験段階ながら、社会のユビキタス化は確実に進展している」とし、ユビキタス社会ではさまざまな機器がネットワークにつながり、多くの提供サービスが連携して新たな価値を生む」とした。


日本電気株式会社 システムソフトウェア事業本部長 岡田高行氏

ユビキタスアプリケーション基盤の位置づけ
 企業向けユビキタス関連ソリューションの市場規模について、同社では2007年には1兆円規模に達すると見ている。これまでの実績をベースにしたユビキタスアプリケーション基盤により、他社に先駆けて製品を提供していくことで、20%のシェア獲得し、アプリケーション基盤単体では100億円の売上げを目指すとした。

 日本電気株式会社 システムソフトウェア事業本部長 岡田高行氏は、ユビキタスアプリケーション基盤について「これまではシステムを開発するたびに、同じようなサービスの機能を開発していたが、こうした共通機能を抽出し、8つの機能群として実現している」と語った。また「これまでアプリケーションレベルで開発する必要のあった既存サービス間の連携でも、基盤のレベルで相互に連携できる。これにより柔軟に変化対応するシステムとなる」とした。これにより「システム開発をコストダウンし、多様なソリューションをタイムリーに提供できる」という。同社の試算では、開発コストが約1/3にできるとのことだ。

 さらに「一度作ったシステムの継続性を保ち、上位のアプリケーションに影響を与えずに、下位のネットワークやプラットフォームといったインフラの差を吸収する」と位置づけた。またユビキタス社会の進展によるバラエティに富んだ端末にも対応するという。同氏は、「業界に先駆けて体系化された製品で、従来にないシステムやサービスを多様に実現できる。現時点では他社にないものと自負している」と語り、「最終的には、ユビキタス社会の実現に寄与していきたい」とした。


イベント・展示会の管理運営システム。RFIDタグで入場者をトレースし、プレザンス、位置情報基盤を組み合わせることで、混雑したブースの対応者を増やすこともできる
六本木ヒルズで実証実験が進む「iモード Felicaプレビューサービス」。電子クーポンをダウンロードした携帯電話を、店舗や駐車場に置かれたリーダーにかざして利用できる。セキュリティ、認証、モバイルサービス、端末適応の各基盤が利用されている。 デモが行われた顧客リレーションソリューション。プレゼンス、位置情報、RFID、モバイルサービスの基盤により、店舗や売場への入場時にFelica携帯をかざすことで、店情報やクーポンによる買い物ができるもの。販売側では来店を把握して接客でき、顧客の購買履歴も即座に参照できる


URL
  日本電気株式会社
  http://www.nec.co.jp/


( 岩崎 宰守 )
2004/07/27 15:11

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