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アイログ、J2EEベースのビジネスルール管理コンポーネントの日本語版


 アイログ株式会社は、業務のルール設定に関する変更・操作を自動化し、効率的なビジネスプロセス管理を提供するJ2EEベースのビジネスルール管理(BRMS)コンポーネントの最新版「ILOG JRules 4.6 日本語版」を8月25日より提供する。


スプレッドシートベースのエディタ画面
 JRules 4.6は、ビジネスプロセスあたり数千に及ぶ複雑で動的なルールの管理を効率化するツール。新バージョンでは、項目ごとに記述できるスプレッドシートベースのルールエディタと、自然言語による条件設定により、業務の担当者自らがビジネスプロセスの変更を設定できるようになり、この自然言語のインターフェイスについても、日本語化された。またワークフローの設定もGUIで行える。このほかコンプライアンスなどに対応するビジネスアクション言語をウィザードにより記述できるツールも新たに追加された。

 開発者向けの環境としては、実行の最適化やデバッグなどが行える「Rules Buleder」が従来から提供されているが、Eclipseをベースとする新たな開発環境が、機能限定のライト版として現在ダウンロード配布されている。このIDEの英語版を年末までに提供するという。


アイログ株式会社 マーケティング&アライアンスマネージャー ジョエル・ゲイ氏
 BRMS製品については、BEAやVitria、WebMethodの製品と連携してBPMを実現する上で必要不可欠な要素と位置付けられており、アメリカでは昨年から今年にかけて導入が広がっている。JRules 4.6 日本語版は、これまでパッチにより製品の一部機能を日本語化してきた同社が、初めて完全日本語化した製品で、同社では今後発売する製品についても順次日本語化を行っていき、国内市場の拡大を図りたい考えだ。アイログ株式会社のマーケティング&アライアンス マネージャーであるジョエル・ゲイ氏は「日本市場でのBPM導入はこれから広がる段階。BRMSと同時に導入できるため、市場機会と考えている」と述べた。

 JRulesは、Yahoo! BBでサービスやキャンペーンによる課金の複雑な変更に対応するシステムに採用されている。導入により「それまでストアドプロシージャを変更する必要があり、数週間要していたキャンペーンへの対応が、1日から数日で行えるようになった」とのこと。「メンテナンスを担当者が行えるため、コンプライアンスやビジネスルールの変更が多いアプリケーションで特にメリットが大きい」とのことだ。同氏は「特に金融、通信分野を中心に提供していきたい」とした。

 アイログでは、BRMS製品群のほか、最適化、視覚化と3つの製品群ラインがあり、このうち最適化のコンポーネント製品は、SAP、Oracleなど大手ISVの製品にコンポーネントとして広く採用されている。国内ではこの分野については「SIとの協業で、コンポーネントを組み込んだソリューションを提供していく」ことで、販売を拡大する考えだ。

 SIであるNSソリューションとも提携しており、その親会社である新日鉄、また大手自動車メーカーをはじめとした製造業における生産計画の最適化などで採用されているほか、配送計画や、ネットワーク構築における設計と計画などでも利用されているという。またソニー銀行では、顧客情報をベースに最適なファンドの組み合わせを提示して、資産運用を支援するシステムに採用されている。

 視覚化製品群については、物資、天候、人材配置を一元化してGUIで表示するシステムとして、また自衛隊システムの基本コンポーネントにも採用されている。



URL
  アイログ株式会社
  http://www.ilog.co.jp/
  ILOG JRules
  http://www.ilog.co.jp/products/jrules/

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( 岩崎 宰守 )
2004/08/25 11:28

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