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富士通研、保守作業を効率化する仕様書自動生成システムを開発
株式会社富士通研究所は8月26日、メインフレームのプログラム資産から保守用仕様書6種を自動生成するシステムの開発を発表した。
今回開発されたシステムでは、メインフレームのCOBOL、JCL(ジョブ制御言語)、PSAM画面定義ファイルを一括して分析し、保守に必要な情報を抽出した6種の保守用仕様書を、Word/Excel形式で自動生成する。なお仕様書生成に必要となる情報はXML形式で抽出するという。
自動生成される仕様書は、セクションの構造、制御を概観できる構造図を提示して、プログラムの主要な制御と入出力を把握できる「処理構造図」、データの更新条件とその内容の一覧、そのチェック条件を提示して、データ項目への代入と入力データのチェック内容を把握できる「チェック更新仕様表」、プロセス内での入出力ファイル一覧と、その参照、更新プログラム名を表示することで、プロセスの概要を把握できる「バッチプロセス仕様書」、ジョブ全体でのアクセスファイルの入力、出力、削除といった利用形態と作業用ファイルを提示する「ファイル・ジョブステップ関連図」、入出力ファイル情報と主要セクション名を抽出してCOBOLソースの概要を把握できる「プログラム仕様書」、画面遷移の条件、処理概要、アクセスファイル情報をPSAM画面定義ファイルから生成する「画面遷移図」の6つ。
また、プログラム内に記載されていない業務情報や、保守に必要な過去の障害履歴情報といった、これまで保守担当者が仕様書に追記していた情報を、仕様書の再生成時に継承できる業務情報継承機能も備えている。
富士通研では、本システムについて保守現場での検証を行い、アウトソーシングなどによる保守移行工程に必要な仕様書整備では約30~50%の工数が削減されたほか、既存システムの理解でも10~50%の工数が削減したという。
今回開発のシステムについては、富士通株式会社の統合システム開発体系「SDAS」のソフトウェア開発保守支援システム「SIMPLIA」の拡張機能として12月の製品化が予定されている。
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URL
株式会社富士通研究所
http://www.labs.fujitsu.com/
プレスリリース
http://pr.fujitsu.com/jp/news/2004/08/26-1.html
( 岩崎 宰守 )
2004/08/26 13:22
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