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マクロメディア、XMLからFlashを生成・Web配信できるサーバーソフトウェア


 マクロメディア株式会社は、プレゼンテーション層に設置し、XMLからFlashを生成・配信できるサーバーソフトウェア「Macromedia Flex 1.5日本語版」を11月中旬より出荷する。価格は2CPUライセンスで150万円から。

 Flexは、XMLをベースにした「.mxml」をXMLスキーマの開発環境で記述するだけで、サーバー側がこれを動的にFlashバイナリにコンパイルし、Web配信する製品。主にWebデザイナー向けのFlash開発ツールである「Macromedia Flash MX」と比べ、XMLとJavaScriptの知識だけでFlashの開発が行える企業向けの製品となる。なお製品にはFlex専用の開発環境「Macromedia Flex Builder 英語版」5ライセンスが同梱されるが、XMLスキーマの記述が可能な開発ツールであれば開発が可能とのこと。

 導入にあたっては、Webサーバーによるプレゼンテーション層、アプリケーションサーバーを用いるロジック層、そしてデータベースからなるWebアプリケーションでは一般的な3層構造システムのうち、フロントエンドのプレゼンテーション層だけをFlexサーバーと入れ替えることで稼動できる。通信にはTCP 80ポートが用いられ、SOAPプロトコルなどの標準技術に対応するため、既存インフラにそのまま追加する形で導入でき、現在のアプリケーション資産のうち、ユーザーインターフェイスの部分だけを置き換えることも可能だ。


XMLスキーマ「.mxml」をサーバーで動的にコンパイルし、Flashを生成する ロジック層、データベース層には手を加えず、プレゼンテーション層を入れ替えるだけで導入できる 同梱の開発環境「Macromedia Flex Builder」の画面

マクロメディア株式会社 CTO 田中章雄氏
 Flashは、高い操作性と表現力を持つリッチクライアントとして位置付けられるが、マクロメディア株式会社 CTOの田中章雄氏によれば、「JSPベースで作成された通常のWebアプリケーションでは、操作のたびにHTMLが書き換えられる。Flashではユーザーインターフェイス部分のデータをローカルにキャッシュし、差分だけをやり取りするため、むしろ逆に帯域やサーバーへの負荷は低く、処理の待ち時間も短くなる」とした。アメリカの金融ポータル「E-Trade」の株価表示アプリケーションでは、Flashを採用したことで数TBの帯域を削減でき、年間100万ドルのコストを削減したという。

 国内でもソニー銀行の「MoneyKit」で採用されており、「Webアプリケーションのユーザーインターフェイスと比べ、複雑なデータを見やすく提供する点でも適している」という。このため「表示データ量が多い基幹システムのデータ分析ソリューション、また入力フォームが多い業務ソリューションや、多数の画面を自動生成する基幹システム」などに向いているとした。このほか同社では、Flashの表現力とXMLデータ連携の両方の強みが生きるEコマースなどの分野での拡販を図っていく。


Flashでは、差分データのみをやり取りするため、Webアプリケーションと比べ帯域とサーバー負荷はむしろ少ない アメリカの金融ポータル「E-Trade」の株価表示アプリケーション(左側の赤枠部分) ソニー銀行の「MoneyKit」

オフラインでデータを入力し、ネットワーク接続時に同期できる
 Flashの強みとしては、「クライアントPCの98%、すでにワールドワイドで5億台にインストールされている」点を挙げる。これはクライアントアプリケーションのライセンス料金に加え、配布・展開コストもほとんどゼロとなることを意味しており、「取引先や顧客での利用を考えると、クライアントコストが必要なのはインターネット社会で通用しないロジック。他社のリッチクライアントと比べた場合の優位点になる」とした。またオフラインでも動作が可能で、ネットワーク接続時に作業結果の同期が可能な点については「モバイルでの用途に向いているだろう」と述べた。

 対応OSは、Windows 2000 Server/XP/Server 2003、Red Hat Linuxで、アプリケーションサーバーは、Macromedia JRun4のほか、Tomcat、IBM Webshpere 5、BEA Weblogic 7/8.1、Oracle 10g、富士通 Interstage 6をサポートする。



URL
  マクロメディア株式会社
  http://www.macromedia.com/jp/
  プレスリリース
  http://www.macromedia.com/jp/macromedia/proom/pr/2004/flex_introduction.html
  Macromedia Flex
  http://www.macromedia.com/jp/software/flex/


( 岩崎 宰守 )
2004/09/08 15:19

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