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患者を“ゆりかごから墓場まで”サポートする医療分野向けソリューション |
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SAPジャパン株式会社は9月16日、医療業界向けソリューション「SAP for Healthcare」の国内展開についてプレス向けの説明会を開催した。 SAP for Healthcareは、SAPジャパンが提供する21の業種別ソリューションのひとつ。主に400床以上の中～大規模病院や、全国/地域規模でチェーン展開を行う医療機関、学校法人などに向けた製品との位置付けとなる。独SAP本社では、医療業界向けソリューションを1994年から提供しており、以来10年間でアジアではシンガポールなどを中心に300、世界では1000以上に提供した実績がある。売上を見ても、全体の11％を占める公共サービス部門の中核として位置付けられている。
本間氏は国内医療業界の現況について、「今後は少子化と高齢化による人口減少が見込まれ、患者の取り合いが予想されている。そうした状況で、病院自体が、株式会社的要素を盛り込んだ経営管理の強化の動きを加速している。こうした風潮が、SAPが受け入れられる追い風になると考えている」とした。 SAPジャパンでは、2002年から医療分野専任の営業・開発・コンサルティングを10人体制で設置し、これまでに5つの医療機関へソリューションを提供している。2004年中にはさらに2～3の医療機関への提供を見込んでおり、2005年には10前後を目指す。本間氏によれば「2～3億のコストで展開できる」という。また400床以下の病院向けには、「1億以下で導入できるよう」パートナーを通じたASP形式のシェアードサービスを提供していくとの考えを示した。 本間氏は「経営計画シミュレーション、バランススコアカード対応などの機能拡張を強みに、今後日本市場に向けてITインフラ整備による拡張性、柔軟性、俊敏性の3つのポイントと、コスト低減をSAPの優位性として訴えていく」と語った。
病院のシステムは診療業務系、管理業務系、ITインフラの3つからなるとした同氏は、NetWeaverをシステム基盤とすることで「院内の診療業務と管理業務を統合するだけでなく、地域の医療機関や薬局、金融機関、患者との連携も視野に入れてソリューションを提案していく」という。 そのほかの領域では、会計管理や経営管理、人事管理、ロジスティックスなどの管理業務系は「mySAP ERP」で、またSAP for Healthcareで診療業務と患者のライフサイクル管理をカバーする。 SAP for Healthcareは、患者の診断や治療、そして看護などの情報、スケジューリングやサービスの管理、さらに院内情報や患者別の会計損益管理、サードパーティの追加ソリューションなどにより、「患者のライフサイクルを“ゆりかごから墓場まで”サポートする」医療分野向けソリューションとなる。
このように会計・人事・購買といったバックヤードへの導入により会計の透明性を保つとともに、財務情報だけではなく、電子カルテや医事会計データをあわせ、SAP BWを用いた経営分析なども可能となる。「電子カルテのベンダーとも今後協業し、ソリューションを強化していく」とのことだ。 医療業界では、病院の開設主体、そして事業内容のそれぞれにかかわる会計規則がマトリックス状になることから対応が難しいとされてきた。SAPジャパンのソリューションでは、社会福祉法人の要件にはすでに対応しており、その他の規則にも順次対応するよう検討を進めるという。
■ ＵＲＬ SAPジャパン株式会社 http://www.sap.co.jp/ SAP for Healthcare http://www.sap.co.jp/japan/solutions/industry/healthcare/
（ 岩崎 宰守 ）
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