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日本ピープルソフト、CRMアプリケーションの最新版


 日本ピープルソフト株式会社は、CRMアプリケーションの最新版「PeopleSoft Enterprise CRM 8.9(日本語版)」を11月2日より出荷する。


日本ピープルソフト株式会社 代表取締役社長 クレイグ・ハリデー氏
 同社では企業規模や業種に応じた3つのERPパッケージを中心に、フィナンシャル、サプライチェーン、ヒューマンキャピタル、エンタープライズパフォーマンス、そして今回発表のCRMと5つのソリューション群をラインアップしている。

 今回のCRM 8.9のリリースについて、日本ピープルソフト株式会社 代表取締役社長のクレイグ・ハリデー氏は「1987年に設立したPeopleSoftの歴史の中でも、最大規模の変化」と強調した。そして「J.D.Edwardsとの合併後、日本の顧客にサービスを提供できる資源がようやく整った。国内のCRM市場規模は拡大していくと考えており、CRMに関する将来には自信を持っている」と語った。


米PeopleSoft 日本・アジアパシフィック担当 プロダクト&インダストリ ソリューションディレクター レイ・クロス氏

価値に応じた顧客セグメント分類と、計画の策定、最適化を行うPeopleSoft CPM
 米PeopleSoftがCRM分野へ参入したのは、1999年に米Vantive買収して以降のことになる。米Peoplesoft 日本・アジアパシフィック担当 プロダクト&インダストリ ソリューションディレクターのレイ・クロス氏は「競合他社より良いサービスを提供すること、そしてテクノロジリーダーであること、この2つに力を入れている」と語った。「技術が問題ではなく、ビジネス上の結果がすべて」とした同氏は、CRMの分野においては「業界固有のビジネスプロセスや、企業戦略に柔軟に対応でき、短期間に導入できることが成功要因になる」とした。

 PeopleSoft Enterprise CRM 8.9では、フレキシブルなデータモデルにより、顧客データに対するさまざまな要件に対応できるほか、モジュール化されたアーキテクチャにより、業種固有の機能一覧にもきめ細かく対応できる。また従来製品と比較して、パフォーマンスが30%向上し、ビジネスプロセスに要する時間が36%短縮したという。またインストール時間は49%、導入期間でも26%、さらにパフォーマンス上の問題解析も80%、それぞれ短縮されている。

 また3つの新機能も追加されている。PeopleSoft Customer Portfolio Management(CPM)では、顧客ごとの価値を評価した上でセグメントに分け、それぞれに向けた計画の作成と最適化を支援する。顧客セグメント情報は、マーケティングやセールス、サービスなどの部門間で共有できる。クロス氏は「従来のCRMでは、サイクルを管理するループプロセスが不足していた」とし、「顧客セグメントそれぞれに見合ったサービスを最適化することで、利益を最大化できる」とした。

 Peoplesoft Prescriptive Analyticsは、収集したナレッジに基づいた分析技術により、顧客の行動を予測し、CPMの戦略を受けた顧客への提案や、問い合わせに対する推奨の行動パターンを示すことにより、顧客管理方針を最適化する。コールセンターなどではエージェントがポップアップすることで対応を指示できる。

 PeopleSoft Partnet Relationship Management(PRM)では、コアのCRMコンポーネントと連携して、パートナーとの取引におけるライフサイクル全般を管理できる。これにより「戦略決定からパートナーの獲得、サービスへの参加、管理が可能になる」という。


最適な顧客対応を管理できるPeopleSoft Prescriptive Analytics コールセンターなどではポップアップで最適なアクションを通知する CRMコンポーネントと連携してパートナーのライフサイクルを管理するPeopleSoft PRM

日本ピープルソフト株式会社 営業本部 執行役員本部長 村上智氏
 また新たに追加された3つの業種別ソリューションのうち、国内市場へは金融業界向けの「PeopleSoft Wealth Management」がいち早く投入される。

 日本ピープルソフト株式会社 営業本部 執行役員本部長 村上智氏は、国内CRM市場が、現在110億円規模で、今後は年率15%で伸びていくとの調査を紹介した。そして「コールセンター、ダイレクトバンキング、金融機関のローカウンターやフィナンシャルプランナー向けなどのシステムは、依然として手作りで構築されている」とし、「こうした個別に最適化されたシステムでも、今後は洗練されたビジネスプロセスを持ったパッケージが必要になる」との見方を示した。またこのように手作りで構築されたシステムからの移行では、「パッケージにも、柔軟性や既存アプリケーションとの高い統合性が要求される」とした。

 国内の金融機関では「金融自由化へ向けて競争激化しており、優良顧客となる富裕層の取り込みが生き残りの鍵になる」とし、Wealth Managementにより、「顧客の量の拡大より質の向上」が可能になるとした。



URL
  日本ピープルソフト株式会社
  http://www.peoplesoft.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.peoplesoft.co.jp/corp/en/about/press/int_press_release.jsp?doc=D3D0D7348BABD6F183256F1F0007380B&language=jp

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( 岩崎 宰守 )
2004/09/30 16:41

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