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日本HP、ビジネスプロセスを可視化して運用管理する4つの新製品を発表


 日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本HP)は10月6日、「HP OpenView」にラインアップされるビジネスサービス管理、Webサービス統合管理プラットフォーム、構成・変更管理など4つの新製品を発表した。

 今回発表されたのは、ビジネスの優先度に応じてビジネスプロセスを可視化、ITリソースを管理する「HP OpenView Business Process Insight(BPI)」、米BEA SystemsのEAIツール「BEA WebLogic Integration」で運用されるビジネスプロセスを監視、制御する「HP OpenView Smart Plug-Ins for BEA WebLogic Integration(SPI for BEA WLI)」、各種WebサービスやHP OpenView製品群の統合管理プラットフォーム「HP OpenView Management Integration Platform(MIP)」、ITインフラの変更・構成管理とプロビジョニングを自動的に実行する「HP OpenView Radia(Radia)」の4製品。

 BPIは、各業務ステップ上で管理される処理件数、金額、顧客情報などのビジネス情報をリアルタイムに表示することで、ITインフラ情報を実際に業務を行う部門が理解できる形で提供する。また特定サーバーのパフォーマンス低下により影響を受ける業務ステップを特定することで、受注内容に遅延が発生する顧客を分析するなど、ITインフラの障害による顧客に対するサービス中断の影響を定量化できる。価格は最小構成で15,750,000円からで、2005年上半期の出荷予定。

 SPI for BEA WLIでは、BEA WebLogic Integrationによりモデリングされたビジネスステップのなかから、サーバーのパフォーマンスの劣化により影響を受けるものを特定し、プールされているサーバーリソースを再配分するといった対応が行える。またOASISで標準化されたWSDM(Web Service Distributed Management)の管理技術を実装しており、双方向での管理機能やバージョンアップに対する迅速な対応も可能だ。価格は最小構成で665,700円から、出荷は12月の予定。

 MIPは、Webサービス標準技術を利用し、ビジネスプロセスとITリソースの動的な再配分を実現する統合管理プラットフォーム。価格は個別見積で、出荷は12月の予定。また将来的には、ビジネスプロセスの優先度にしたがってITリソースの再配分を制御するコントローラ機能を拡張していく。

 Radiaは、サーバーOSやアプリケーションといったITインフラの変更・構成管理とプロビジョニングを、ポリシーに基づいて自動化するソフトウェア。サーバー、クライアントPC、モバイル機器などのマルチプラットフォームデバイスに対応しており、HP OpenView Service DeskをはじめとしたHP OpenView製品との連携により、運用プロセスを効率化できる。価格は1サーバー用のバンドルモジュールが68,250円からで、出荷は年内の予定。


日本HP 常務執行役員 テクノロジーソリューション事業統括 石積尚幸氏

米Hewlett-Packard テクノロジーソリューショングループ ソフトウェアグローバルビジネスユニット マネジメントソフトウェアオーガニゼーション バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー トッド・デローター氏
 日本HP 常務執行役員 テクノロジーソリューション事業統括の石積尚幸氏は、今回発表された製品がHPの提唱する「アダプティブ・エンタープライズ」を推進する運用管理ソリューションであることを強調した。

 今回の新製品は、リソース管理、ITサービス管理を行う既存HP OpenView各製品と連携して、管理インターフェイスから、ITインフラ、業務アプリケーション、ビジネスプロセスを関連付けて管理できる。ビジネス上の優先度が高い問題にITリソースを柔軟に適用できるため、企業全体の管理と変化対応力、ビジネス視点から見たサービスレベルを維持、向上できる。

 米Hewlett-Packard テクノロジーソリューショングループ ソフトウェアグローバルビジネスユニット マネジメントソフトウェアオーガニゼーション バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーであるトッド・デローター氏は、「これからのITは、ビジネスとリンク(同期)させることが重要です」とアダプティブ・エンタープライズのコンセプトを語った。

 その上で「運用管理ソフトウェアによって大量のデータを自動的に収集し、それらのデータをフィルタにかけることで有用な情報として活用することができます。なんらかの障害が発生した場合、これらの大量のデータを分析して、素早く問題の根本原因をつきとめる必要があります」と管理運用ソフトウェアによるデータの自動収集と分析機能の重要性を述べた。さらに「障害の発生、あるいは構成が変更された場合、ビジネスにどの程度のインパクトがあるのかを、ビジネスの視点で表現されていることが重要です」とした。

 さらにデローター氏は米IDCが企業顧客に対してITの効率性、生産性、サービス品質をHP OpenView ServiceDeskを含むITサービス管理ソリューションの導入の前後で調査した結果についても触れ、HP OpenViewのソリューションを導入することで、運用効率は24%向上し、変更管理要求でのダウンタイムが84%削減できるとした。

 なお今回の新製品の発表にあわせ、ネットワークサービス管理製品である「HP OpenView Network Node Manager 7.5」、「HP OpenView Performance Insight 5.0」と、サーバー/システム管理製品「HP OpenView Operations for UNIX 8.1」、「HP OpenView Performance Manager 5.0」のHP OpenView各製品もバージョンアップし、今後さらに複雑化、仮想化するネットワークやサーバー環境での管理機能を強化する。



URL
  日本ヒューレット・パッカード株式会社
  http://www.hp.com/jp/
  プレスリリース
  http://h50146.www5.hp.com/info/newsroom/pr/fy2004/fy04-177.html

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( 北原 静香 )
2004/10/06 19:03

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