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日本IBM、可用性を向上させたアプリケーションサーバーの最新版「WAS V6.0」 |
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日本アイ・ビー・エム株式会社（以下、日本IBM）は10月7日、アプリケーションサーバーソフトウェアの最新版「WebSphere Application Server V6.0（以下、WAS V6）」を発表した。
WAS V6の主な新機能としては、システムの可用性を向上させる「HA（ハイ・アベイラビリティ）機能」のほかにも、SOA（サービス指向アーキテクチャ）の基盤となるESB（Enterprise Service Bus）機能の搭載、開発と運用管理を効率化する機能拡張などが挙げられる。 HA機能を実現するのは「HAマネージャー」と呼ばれるトランザクションの障害回復機能で、サーバーでの処理内容をコーディネートし、フェイルオーバーを実行する。トランザクションログはNASを経由して複数サーバーで共有されるため、サーバー停止時にはトランザクションログを別のサーバーが参照して、即座にトランザクション処理を継続できる。 これはWebSphere Extended Deployment（XD）として従来から提供している機能の一部を、アプリケーションサーバーとして実現したものと言えるが、XDと組み合わせて稼動することで、より高い可用性を得られるという。山下氏は「WAS V6では、障害の検出から10秒前後での復旧が可能になる」と、その高可用性を強調した。 またWAS V6では、SOAの基盤となるESB機能をアプリケーションサーバーに搭載している。SOAでは、「サービス」と呼ばれる標準化されたソフトウェアコンポーネントを部品として組み合わせ、ITインフラを構築するアーキテクチャ。ESB機能では、サービス同士の連携を仲介して、SOAによる開発を支える接続基盤を提供する。 運用管理の機能拡張としては、複数バージョンの混在したセルをサポートすることで、V5からの段階的な以降を実現している。さらに「WebSphere Rapid Deployment」により、一部稼動中のサーバーへの自動展開が可能になっている。また管理コンソールである「Tivoliパフォーマンスビューモニター」の機能も拡張されている。 開発生産性の向上としては、SDO（サービスデータオブジェクト）による開発、JSF（JaveServer Faces）の実行環境サポート、PME（プログラミングモデル拡張）などの機能拡張がある。また、WAS V6はJ2EE 1.4に準拠した最新のテクノロジーが利用可能となっている。 WAS V6の製品ラインアップは、ISVソリューションの基盤としてWAS-Express、シングルサーバーでの実行環境のWAS、分散環境において最新のクラスタリングによるHA機能を実現するWAS Network Deployment（ND）の3種類となり、WAS-ExpressにはWeb Developer for WebSphere Software、WASとWAS NDにはApplication Developer for WebSphere Softwareの試用版が同梱される予定。WAS V6の正式な出荷時期は年内とだけ明らかにされ、価格についても、現在から大きく違わない程度とされた。 このほか統合開発ツール「WebSphere Studio Site Developer」が「IBM Rational Web Developer for WebSphere Software」として、機能強化版である「WebSphere Studio Application Developer」が「IBM Rational Application Developer for WebSphere Software」として年内にリリースされることもあわせて発表された。 開発ツールのブランドをWebSphereからRationalへと変更したことに関して山下氏は「モデリングから実際のコード生成までの開発過程において、統一されたツールを使用することで、生産性をさらに向上できる。WebSphereでは稼働環境の基盤を、Rationalでは開発環境を担当することにした」と述べた。 ■ ＵＲＬ 日本アイ・ビー・エム株式会社 http://www.ibm.com/jp/ プレスリリース http://www-6.ibm.com/jp/NewsDB.nsf/2004/10071 WebSphere Application Server http://www-6.ibm.com/jp/software/websphere/ft/was/ ■ 関連記事 ・ 日本IBM、サーバーリソースを仮想化するJ2EEミドルウェア（2004/07/06）
（ 北原 静香 ）
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