日本電気株式会社(以下、NEC)は11月4日、ミドルウェア製品群「VALUMOウェア」のうち、システム構築基盤「SystemGlobe」シリーズと統合システム運用管理「WebSAM」で、自律機能の強化などにより運用管理を効率化する新製品の追加、機能強化を発表した。NECでは「VALUMOウェア」シリーズ全体で、今後3年間で1500億円の売上を見込んでいる。
新たに発売されるのは、ログ収集・解析支援ソフト「WebSAM LogCollector」、IAサーバー「Express5800シリーズ」用のプロビジョニング管理ソフト「SystemGlobe ExpressSystemCenter」、Oracle障害監視ソフト「SystemGlobe ApplicationMonitorClientEdition」の3製品。
WebSAM LogCollectorは、OS・ミドルウェア・ハードウェアなどのシステムログを一括収集し、マージやソート、絞込検索などの解析支援機能を提供する。Windows版が44万円から、HP-UX版が91万円からで12月28日出荷。
SystemGlobe ExpressSystemCenterは、障害発生時や負荷増大時にサーバーの追加や置換を自動的に行えるソフトで、処理負荷に応じてサーバー用途を計画的に変更することも可能になる。なおブレードサーバーやItaniumサーバーも管理対象となる。240万円からで12月3日出荷。
SystemGlobe ApplicationMonitorClientEditionは、アプリケーションサーバーからデータベースの稼働状況を監視し、障害検知の際にアクセス可能なデータベースへと接続先を自動的に切り替えるもの。59万円からで11月4日出荷となる。
このほかの製品でも機能が追加、強化されている。システム障害や処理負荷の増減に応じてリソースを自動的に追加するプロビジョニング管理ソフト「WebSAM ProvisioningMaster」では、自動割り当ての対象として従来のWebサーバー、アプリケーションサーバーに加え、データベースサーバーを追加した。さらにJavaに加え、新たにC、C++、COBOLで開発したアプリケーションへの自動割り当ても可能となった。またLinux環境でのリソース自動割り当てにも対応した。
過去の障害情報と復旧手順をナレッジデータベースに蓄積して、障害発生時に迅速な復旧処理を行う統合運用管理ソフト「WebSAM MCOperations」では、WindowsやSQL Server、Exchange Serverなどの障害情報・復旧手順に関するナレッジコンテンツが拡充されたほか、ITサービス管理ソフト「WebSAM ServiceDesk」との連携機能も提供される。
NECでは、これらの自律コンピューティング機能をはじめとした機能強化により、運用管理を効率化することで、システム運用コストの削減を実現するとしている。
■ URL
日本電気株式会社
http://www.nec.co.jp/
プレスリリース
http://www.nec.co.jp/press/ja/0411/0401.html
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( 岩崎 宰守 )
2004/11/05 12:18
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