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コクヨS&T、QRコードを用いた紙とデータの一括管理システム


 コクヨS&T株式会社は、紙文書の保管に関する「情報管理ソリューション」として6つのサービスを11月中旬より、二次元バーコードを活用した紙文書と電子文書の一元管理システムを2005年3月より提供する。同社では2005年度に10億円の売上を目標とする。


コクヨS&T株式会社 代表取締役社長 岡本光弘氏
 コクヨS&T株式会社は、2004年10月1日にコクヨ株式会社のステーショナリー事業、PCサプライ事業のふたつをあわせて分社する形で発足した企業。代表取締役社長の岡本光弘氏は、「スピードを持って事業戦略を実行できる形となった」と語った。

 岡本氏は「通信環境の変化によるテレワークの拡大をはじめとしたオフィス環境の変化により、仕事と生活の境目がなくなりつつある」と市場の現状を述べた。そしてコクヨS&Tでは「これまでの“モノ提案”から、サービス、ソフトウェアを含めてトータルに顧客の課題を解決する“コト提案”へと、ステーショナリーの枠をはみ出して成長を図る」とし、「これまでの企業向けの事業展開から、企業内個人、個人そのものへと事業領域を拡大していきたい」と語った。


コクヨS&T株式会社 情報管理ソリューションBU長 黒田英彦氏

6つのソリューションメニューの位置づけ
 コクヨS&T株式会社 情報管理ソリューションBU長の黒田英彦氏は「ヒト、モノ、カネに加え情報が第4の経営資源となっている」とし、2001年4月施行の情報公開法、カルテなどの重要書類の外部保管認可による規制緩和、2005年4月施行の個人情報保護法、そして今秋に国会へ提出予定のe文書法などを背景として挙げながら「文書管理マーケットの推定市場規模は、2003年の2500億円から、2007年には3000億円に拡大する」との見通しを語った。

 コクヨS&Tが11月より提供するサービスは、すべて紙文書の保管に関連するもの。ファイリングの問題点指摘と解決策提示を行う「文書管理コンサルティング」、Webで管理文書の情報を提供する「文書外部保管サービス」、保管書類を検索し、30分で電子化してメール・FAXで配送する「アクティブアーカイブ」、廃棄文書の抹消処理に関する「機密文書リサイクルサービス」、紙文書をスキャンにより画像化する「文書メディア変換サービス」文書のファイリング、電子化業務を代行する「ファイリングサポートサービス」の6つ。

 文書メディア変換サービスでは、識字率99.97%のOCRを用いたテキストデータへの変換や、5000ページの情報量を記録できるマイクロフィルムへの変換もあわせて提供する。


コクヨS&T株式会社 情報管理ソリューションBU 岩津博文氏

管理するデータ項目はカスタマイズも可能
 コクヨS&T株式会社 情報管理ソリューションBUの岩津博文氏は、企業の約7割では共用文書を紙とデータで保有しているとの調査を紹介、「紙と電子にはそれぞれ長所があり、どちらかに統一するのは難しい」と語った。一方で32.7%の企業ですでに文書管理システムが導入されているものの、44.9%の企業が必要性を感じながら未導入との調査を示し、「文書管理システムの潜在的なニーズは高い」とした

 コクヨS&Tが2005年4月より提供する「Relational Filing System(RFS)」は、紙文書にQRコードを付与し、電子文書とともに一元的に管理するシステム。バーコードリーダーつきのPDAで読み取られた情報がサーバーに送信され、作業指示にしたがって効率的に紙文書のファイリング体系が構築できることから「維持管理が容易な点も利点」とした。

 データベースには、紙文書の保管場所、登録者、登録日時、ファイル名のほか、必要な情報を追加して管理できる。これを電子文書の情報と一元管理することで、大量の文書の中から、必要な文書を効率的に検索できる。また紙文書とともに電子化したデータもひも付けて管理でき、再加工もできる。電子文書の管理では、Word、Excel、PowerPoint、PDF、各種画像に対応する。このほかすべての操作履歴をログとして管理でき、アクセス制御の機能も備える。

 なおコクヨS&Tでは、QRコードリーダーとして携帯電話を用いるシステムを今後開発するほか、2007年ごろまでにRFIDを用いた文書管理システムも提供予定とのこと。



URL
  コクヨS&T株式会社
  http://www.kokuyo.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.kokuyo.co.jp/press/news/20041109-329.html


( 岩崎 宰守 )
2004/11/09 15:52

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