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VMwareの最新版、「セキュアなネットワーク環境構築が目的」


米VMware CTO エドワード・ブニョン氏

クライアント用ACEパッケージ生成のイメージ

ポリシーの設定項目
 ヴイエムウェア株式会社は11月9日、Windows上で仮想的に異なるOSを動作可能とする仮想デスクトップソフトの新バージョン「VMware ACE」日本語版を発表した。発売は年内を予定しており、価格はオープンプライス。

 VMware ACEはWindows上にハードウェアとは独立した仮想マシンを構築し、別のバージョンのWindowsなど異なるOSを同時に動作させることが可能なソフトウェア。同社では、旧バージョンやベータバージョンのOSを仮想マシン上で稼働させアプリケーションのテストなどを主な目的とする「VMware Workstation」などを販売しているが、VMware ACEは「社内ネットワークリソースに遠隔地から接続する在宅・モバイルワーカーや、一定期間のみ利用する契約社員・パートナーなどのクライアントにセキュアなデスクトップ環境を提供する」(米VMware CTO エドワード・ブニョン氏)ことを目的としている。ちなみにACEはAssured Computing Environment(保証されたコンピューティング環境)の略称とのこと。

 VMware ACEの大きな特徴は、仮想マシン上で動作する環境を管理者が社内ネットワークポリシーに準じてあらかじめ設定してからクライアントに配布することができること。クライアントからはそれらの設定を変更することができないため「ポリシーに沿ったクライアント環境を構築できる」(ブニョン氏)。設定はユーザー名やパスワード、Active Directoryにも対応するネットワークアクセス権限、データの暗号化、外部デバイスへのファイル書き出し、プリンタの設定、仮想マシンの利用期限などの項目が用意される。

 管理者は専用のマネジメントソフト「VMware ACE Manager」から配布するOSやアプリケーションを選択し、各種設定を行ってクライアント用ソフトウェア(ACEパッケージ)を生成して、CD-ROMやネットワーク経由などで配布する。クライアントはこれをPCなどにインストールし実行することで仮想マシンを起動することができる。この時点で各種設定が完了しており、例えば外部デバイスへの書き出しが禁止されていると、仮想マシン上のファイルをホストOS上のHDDやUSBデバイスなどにコピーすることが不可能となる。仮想マシン上に保存することは可能だが、仮想マシンの構成ファイルはすべて暗号化されているためホストOSから取り出すことができない。ブニョン氏は「クライアント管理とセキュリティ確保を同時に行える新しいソフトウェアカテゴリー」と特徴を説明する。

 ACEパッケージの生成にはVMware ACE Managerのほか、1クライアントごとにVMware ACEクライアントと利用するWindowsのライセンスがそれぞれ必要となる。クライアントの対応(ホスト)OSはWindows Server 2003/2000 Server/XP/2000。Linuxへの対応は「計画中」としている。仮想マシン上のOSは各種Windows、Linuxなど。



URL
  ヴイエムウェア株式会社
  http://www.vmware.com/jp/

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( 朝夷 剛士 )
2004/11/09 16:20

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