日本コンピュウェア株式会社(以下、日本コンピュウェア)は11月9日、ITガバナンスソフトウェア「Compuware IT Governance by Changepoint(以下、ITG)」と「Changepoint PSA(以下、PSA)」の日本語版を2005年4月より発売すると発表した。
これらは4月に米Compuwareが買収したChangepointが提供していた製品で、日本コンピュウェアでは「Changepoint製品」と呼んでいる。ITGはエンドユーザー企業向け、PSAはITサービス企業向けとして提供される予定。
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米Compuware ITガバナンス部門 エグゼクティブ バイスプレジデント ジェリー・スミス氏
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企業では、プロセスの効率化やコスト削減、生産性の向上などにより、より多くのビジネス上の目的を達成しなければならない。米Compuware ITガバナンス部門 エグゼクティブ バイスプレジデントであるジェリー・スミス氏は「CIOは限られた予算でこれを実現するために、ITとビジネスのギャップを埋め、ITへの投資をいかにビジネスに役立てるかを常に考える必要があります」と語る。
しかしスミス氏が「現在、CIOがビジネスの目的を達成するために支援するソフトウェアが十分ではない」と語るように、ITシステム全体を把握するプロセスやシステムがないため、現在多くの企業では、部門ごと、プロジェクトごとに情報を管理している。このためビジネスプロセス全体を透過的に把握することができないという問題に直面している。これを解決するために日本コンピュウェアでは、単一のデータベースと統合化されたアプリケーションで、IT全体を管理するITガバナンス製品が有効としている。
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ユーザーごとに情報を表示できるWebベースのポータル画面
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Changepoint製品は、企業のIT部門やITサービス企業において、プロジェクト、リソース、コスト、ユーザーのニーズなどを一元的に管理し、これに関する業務プロセスの自動化を目的とした製品。IT投資が有効に活用され、ビジネス価値の最大化へと反映されているかを判断するために必要な情報を、「開発生産性」、「品質保証」、「性能管理」、「顧客満足度」の各プロセスから収集、分析、レポーティングすることで、ビジネスマネジメント部門の視点から企業のIT資産を管理することが可能になる。
Changepoint製品の機能は3つに大分される。1つはビジネスの評価や優先順位付けを支援し、プロジェクト、アプリケーション、インフラなどのポートフォリオを視覚化する「ガバナンス&ポートフォリオ」機能。2つめは個々の部門の業務内容や、タスクへの時間やコストの配分といった面からビジネスプロセスを管理する機能。そして3つめはタスクフォース(実績の管理)の機能で、個人の実績や顧客満足度などを管理する。これらの情報は利用者ごとにカスタマイズ可能なWebベースのポータル画面を通して提供される。
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プロジェクトごとにポートフォリオを視覚化する「ガバナンス&ポートフォリオ」
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業務内容タスクを時間配分から管理する「タイムシート」
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ユーザーごとに業績をグラフで表示できる
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日本コンピュウェア株式会社 代表取締役 兼 米Compuware シニア バイスプレジデント 梨沢利隆氏
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日本語版の出荷が2005年4月にも関わらず、この時期に製品の発表をした経緯について、日本コンピュウェア株式会社 代表取締役で、米Compuware シニア バイスプレジデントでもある梨沢利隆氏は、「多くの企業でITガバナンスへの注目度が高まっており、Changepointの買収後は、発売時期についての問い合わせが相次いだ」ことを理由に挙げた。
管理ソフトウェアと基本ユーザーライセンス(1指名ライセンス)を含む最小構成価格は291万600円。梨沢氏は「企業によって必要な機能やライセンス形態が異なるが、50人程度で1000万円程度になる」と述べた。動作環境はWindows+IISのみで、LinuxやUNIXへの対応は現在のところ未定。
■ URL
日本コンピュウェア株式会社
http://www.compuware.co.jp/
プレスリリース
http://www.compuware.co.jp/corporate/pressrelease/2004/041109.html
( 北原 静香 )
2004/11/09 20:10
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