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VERITAS i3 v.7の概念図
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問題個所の特定イメージ
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米VERITAS Software APMプロダクトマーケティング プロダクトラインマネージャー トム・モルヴヒル氏
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ベリタスソフトウェア株式会社は11月10日、アプリケーションパフォーマンス管理(APM)ソフトウェアの最新版「VERITAS i3 v.7(以下、i3 v.7)」を発表した。出荷開始は英語版が12月より、日本語版は2005年第1四半期中を予定している。また、SAP、Oracle、SQL Server、J2EEなど主要なアプリケーション向けに最適なモジュールをパッケージングした「VERITAS i3 v.7 アプリケーション対応パッケージ」も合わせてリリースされる。
i3 v.7は、業務ソフトやデータベースなど中・大規模アプリケーションのパフォーマンスを分析し、サービスレベル低下などの問題が発生した場合に原因個所の抽出とレポートの表示、解決策の提案を行うソフトウェアソリューション。今回のバージョンアップではパフォーマンスに加えアプリケーションの可用性を管理するアベイラビリティ管理機能が加わった。また、問題個所の特定後、トランザクションパフォーマンスを最適化する「アプリケーションランタイム分析」機能の追加や、パフォーマンス改善に向けたチューニング方法を提示する「SmarTune」機能が強化されている。
さらに「VERITAS Cluster Server」「VERITAS Storage Foundation」との統合し、各システムをより詳細に分析できアプリケーションとインフラの統合的な管理が可能だという。マーケティング本部プロダクトマーケティング マネージャーの朝倉英夫氏によると、さらに2005年度中には、問題分析と同時に「ほかのサーバーやストレージなどのリソースをプロビジョニングすることでサービスレベルの低下を抑制する」といったシームレスな連携が可能になるとしている。
i3 v.7は、(1)インフラ全体の監視と応答時間の延滞につながるボトルネック個所を特定する「VERITAS Insight」、(2)Insightで特定された問題を追及し、その原因や修正策などを分析する「VERITAS Indepth」、(3)InsightやIndepthで分析された問題を管理者に通知したりレポートを作成する「VERITAS Inform」の3つのコンポーネントで構成され、単体での導入も可能。
事業拡大などによりアプリケーションの規模が大きくなると、かかわるサーバーなども増え構成が複雑になり、問題が発生した場合に原因の特定や修正にかかる時間も増加する。米VERITAS Software APMプロダクトマーケティング プロダクトラインマネージャー トム・モルヴヒル氏が挙げた事例によると、米Amazon.comは95年の設立当時Sunの「Sparcstation V」1台だけで運用を開始したが、数カ月ごとに構成の見直しが必要となってWebサーバーやデータベースの追加や統合を繰り返し、2004年には110のサーバーと135のデータベースによって稼働しているという。モルヴヒル氏は「このような複雑な構成でAmazon.comが要求する99.999%のアベイラビリティとパフォーマンス維持はi3なしでは不可能」と強調する。
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チューニング前後の比較
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また、国内の事例では、SAP R/3の大規模システムにおいてボトルネックとなっていたSQL文をi3が特定しチューニングを図ったところ、従来バッチ処理に3時間43分かかっていたところ44分に短縮したという。朝倉氏によると、まず試用としてユーザー環境にi3を導入し短縮可能と想定される時間などをレポートする「パフォーマンスヘルスチェック」サービスを提供しており、事前に導入効果を提示することができるとのこと。
i3 v.7の対応プラットフォームはSolaris、AIX、HP-UX、Windows、Linux。価格は最低構成で19万1100円から。アプリケーション対応パッケージは38万1150円から。
■ URL
ベリタスソフトウェア株式会社
http://www.veritas.com/ja/JP/
プレスリリース(PDFファイル)
http://www.veritas-press.jp/press/pdf/041110.pdf
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( 朝夷 剛士 )
2004/11/10 18:03
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