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ゾープ・ジャパン、オープンソースCMSの公式日本語版をプレビュー公開


 ゾープ・ジャパン株式会社は11月17日、オープンソースのWebコンテンツマネジメントシステム(CMS)の商用版「Zope日本語版」をプレビュー公開した。

 ゾープ・ジャパンは、9月13日にZope商用版の販売を目的として設立された企業で、この12月にはオープンソースジャパン株式会社と米Zopeから、あわせて9500万円の増資を受ける予定となっている。

 Web CMSであるZopeは、もともと新聞社Webサイトの開発ツールとして米Zope創業者のロッド・ページ氏とポール・エベレット氏の手で開発され、その後製品化されたもの。1998年からオープンソースとして公開されている。パッケージはWebサーバー、開発環境、コンテンツ管理、データベースから構成されており、Webサイト構築、配信のためのすべての環境がそろっている。稼働環境としてはLinux、BSD、Solaris、Windows、Mac OS Xをサポートしている。


さまざまなプロダクトとの連携性も利点のひとつ

ゾープ・ジャパン株式会社 代表取締役 山本烈氏
 クライアントとの接続では、http、ftp、WevDAV、XML-RPCといったインターフェイスをサポートしており、Webブラウザを用いてWebサイトの開発・管理が行える。ユーザー認証ではLDAPディレクトリ、またMySQLやPostgreSQL、Oracle、Sybase、SQL Server、DB2などのRDBとの連携にも対応する。またPythonによる機能拡張も可能だ。

 アメリカを中心に数多くの導入例もあり、「Webサイト構築・管理プロセスの円滑化とコンテンツの再利用の2つが導入の大きな理由となっている」(ゾープ・ジャパン 代表取締役 山本烈氏)という。

 プレビュー版が公開されたZope日本語版は、Zope初の公式日本語対応版で、英語版Zopeには手を加えず、外部ファイルの追加によりユーザーインターフェイスの日本語化を実現している。このためオリジナルアップデートへの追随が容易になる利点がある。また日本語化されているのは基本部分のUIのみだが、これは「すべてを日本語化してしまうと、開発者にとっては逆に使いにくくなる」(ゾープ・ジャパン CTO 柴田淳氏)との配慮からだ。

 今後は、プレビュー版の公開先となるSourceforgeでのブラッシュアップを経て、Windows、Macintoshプラットフォーム向けのインストーラや、日本語検索の統合機能なども開発し、2005年第1四半期にも正式な日本語版として公開する予定。

 オープンソースとしての配布形態はZPLライセンスと呼ばれるもので、項目はわずか5つ。山本氏によれば「制約の少ないBSDライクなライセンスで、バイナリのみの配布も認められる」という。

 Zope日本語版には、CTOの柴田淳氏が開発したBlogサイト構築ツール「COREBlog」も同梱される。これは「Zopeの特長を生かしており、理解するためには最適な素材」(山本氏)との位置づけから。COREBlogはこれまでも英語版が配布されていたが、今回新たに日本語化されている。

 ゾープ・ジャパンでは、オープンソースソフトであるZope日本語版の提供に続き、デベロッパー向けのパッケージとなる「Zope Enterprise CMS(ZECMS)」を2005年上半期中に提供する予定。価格は「ベースライセンスで数百万円、1企業内であれば展開するサーバー台数の制限がないUnlimitedライセンスで1000万円程度」(山本氏)を予定している。

 テンプレートや、管理者の権限管理といった機能が追加されており、「企業サイトの要件にあわせたカスタマイズ開発のためのベースとなるフレームワークが装備されている」(田中氏)とのことで、不具合修正を保障するなどのサポートも追加されている。

 スケーラビリティの面では、Zope自身が、ロードバランスによるプロセスの負荷分散機能を備えるほか、バックエンドのデータベースへの負荷を分散する「Zope Replication Services」を提供する。またユーザー登録やメール配信サービスを構築するためのベースパッケージ「Zope Registration Services」、イントラネット構築用の「Z4I(Zope for Intranets)」、メディア企業向けの「Z4M(Zope for Media)」、教育機関向けの「Z4E(Zope for Educations)」などの用途別製品もラインアップされる。


Zope日本語版の管理画面 Zope日本語版コントロールパネルの画面 ZECMSの管理画面

 なおゾープ・ジャパンでは、2005年1月よりデベロッパ支援プログラムを開始することをあわせて発表している。プログラムは優待価格での各種トレーニング受講、Webサイトでの認定ロゴの使用、ニュースレターの配信、ゾープ・ジャパンWebサイトにおける事例紹介などの得点があり、会費は年間58,000円。12月24日までに申し込んだ場合、初年度会費は無料となるが、参加には書類審査を経る必要がある。



URL
  ゾープ・ジャパン株式会社
  http://www.zope.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.zope.co.jp/pr/20041117.html
  プロジェクト:zopej10n(Zope日本語プレビュー版ダウンロード)
  http://sourceforge.jp/projects/zopej10n/


( 岩崎 宰守 )
2004/11/17 14:30

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