日本電気株式会社(以下、NEC)は11月24日、「ファイルの重要度に基づく階層ストレージ管理技術」を発表した。今後は、2005年度中の実用化を目指して研究開発を進めていく。
今回発表された技術は、異機種の混在した環境下にある複数のファイルサーバーを、独自開発のNASスイッチを用いることで仮想化し、事前に設定した保管データの重要度に応じて、性能や信頼性、暗号化や改ざん防止機能などの機能が異なるファイルサーバーへと適切に振り分けられるもの。例えば“顧客情報”フォルダの格納ファイルは、必ず暗号化した上、アクセス記録も5年間保存するといったファイル保管でのサービスレベル目標を設定できる。
NECによれば、ファイルの読み書きでは特別なソフトウェアを用いる必要がなく、ハードウェア、ソフトウェアともに既存の環境をそのまま利用できるという。
今回開発の技術により、企業内のデータセンターでは、個人情報や秘密情報などの機密情報を含むデータの保管先をファイル単位で考慮する必要はなくなり、ファイルサーバー単位での運用管理を行うだけで済むため、管理コストを削減できる。
NECではすでに、複数のファイルサーバーをひとつに仮想化し、管理者がファイルサーバー間で自由にファイルを移動できる「ファイルサーバー仮想化技術」を確立している。これはNFS、CIFSなどの標準的なファイル共有プロトコルにも対応しており、部門ファイルサーバーから集中保管へ移行するコストについても削減できるとしている。
■ URL
日本電気株式会社
http://www.nec.co.jp/
プレスリリース
http://www.nec.co.jp/press/ja/0411/2404.html
( 岩崎 宰守 )
2004/11/24 20:41
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