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SAP、コラボレーション機能などを強化したポータル新版


ソリューションマーケティング本部 NetWeaver ディレクターの菅沼隆太氏
 SAPジャパン株式会社は11月25日、ポータル製品の最新版「SAP Enterprise Portal 6.0」(以下、SAP EP 6.0)を、12月23日から出荷開始すると発表した。今回は、日本語などアジア圏の言語をサポートしたほか、マルチプラットフォームへの対応、コラボレーション機能の強化などが図られている。

 SAP EPは、企業ポータル構築用のソフトウェアで、同社が提供する統合アプリケーションプラットフォーム「NetWeaver」の構成要素の1つ。最新版となるSAP EP 6.0では、他社のポートレットにあたる「iView」をあらかじめパッケージ化した、「ビジネスパッケージ」テンプレートが用意されており、業務・役割にあわせて、手軽にユーザーごとのポータル画面を作成できる。

 既存のiViewで足りない部分はユーザー自身でカスタマイズを行うことも可能で、ウィザード形式で簡単に作成できる「iViewウィザード」のほか、コードを書かずにiViewを作成できるツール「Visual Composer」、Javaや.Netによる開発キットも用意されている。

 加えてSAP EP 6.0では、ナレッジ管理とコラボレーション関連の機能が強化された。コラボレーションでは、グループが共同作業を行うための仮想ワークスペースを設ける機能や、プレゼンス(在席管理)機能を核とし、チャットやアプリケーション共有などの機能を利用できるリアルタイムコラボレーションの機能などが盛り込まれた。

 SAPジャパンでは、同製品について既存ユーザーにとって多くのメリットがある製品としながら、「単品でも非SAPユーザーにアピールできるレベルにある」(ソリューションマーケティング本部 NetWeaver ディレクターの菅沼隆太氏)とも位置づけており、非SAPユーザーに対しても積極的に展開していく予定。そのために同社では、スイートとしてのユーザー数に応じたライセンス体系に加え、単品販売用のCPUライセンスを新たに設けた。

 ただし単品と言っても、アプリケーションサーバーやBIツールなども含めた「NetWeaver」としての販売になるため、価格は1CPUあたり2000万円からと、少し高めになる。「本当にポータルだけでいい、というユーザーには高いかもしれないが、システムトータルで考えるのなら割安になるだろう」(同氏)。

 対応プラットフォームは、Windows Server 2000/Server 2003などに加え、新たにIBM、HP、サンの各UNIXをサポート。言語も、これまでの欧州言語に加え、日本語、中国語、韓国語などの主要アジア言語を今回よりサポートする。

 またSAPジャパンは、SAP EP 6.0の販売について、2005年末までに累計250社、2007年末までにはSAPユーザー全体の半分にあたる累計750社を、目標として提示。4割を非SAPユーザーでまかなうなど顧客の開拓をすすめ、現在の120社弱から大幅に販売を伸ばしたいとしている。



URL
  SAPジャパン株式会社
  http://www.sap.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.sap.co.jp/company/press/press.asp?pressID=3320

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( 石井 一志 )
2004/11/25 18:21

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