|
エンタープライズ事業本部 ソリューション本部長の多田和之氏
|
|
発表の場にはSAPジャパン株式会社の関谷泰朗副社長(左)も駆け付け、デルの浜田宏代表取締役社長(右)と握手を交わしていた
|
デル株式会社は11月29日、SAPジャパン株式会社の中小企業向けERPソリューション「SAP Business One」(以下、SBO)の提供を開始すると発表した。また同時に、デルのハードウェアをベースに、必要なソフトウェア、導入サービスなどを組み合わせた「Dell SBO 短期導入パッケージ」を、専用Webサイトで販売開始する。
デルでは1995年より、従業員400名以下の企業を対象とした営業部門を設け、継続的に中小企業分野でのビジネスを展開してきた。たとえば、1月末に発売されたマイクロソフトのSmall Business Server 2003搭載サーバーを積極的に販売していることもその1つだし、カスタマイズサービス「CFI(Customer Factory Integration)」は、IT専任担当者のいないことが多い中小企業から、利便性が評価されているという。
またそうした取り組みのほか、オラクルの製品を活用した無停止サーバーシステムのパッケージ化を手がけるなど、基幹システム向けソリューションにも、積極的に取り組み始めている。今回のSBO取り扱い開始とDell SBO 短期導入パッケージの発売もこの流れにそったものだ。このパッケージに関して、エンタープライズ事業本部 ソリューション本部長の多田和之氏は「(一般的なERPソリューションであるmySAP All-in-Oneなどと比べ)1/3~1/5の期間、1けた違う価格で導入が可能だ」と述べ、その競争力を強調する。
実際の同パッケージには、IAサーバー「PowerEdgeシリーズ」やバックアップ用のテープドライブ、スイッチなどのハードはもちろん、SBOやSQL Serverなどのソフト、システム導入に関するコンサルティングサービス、構築サービス、保守サポートが含まれている。構成例としては、開発・テスト環境用と本番環境用のPowerEdge 1800サーバ-各1台、PowerVault 114T LTOテープドライブ、PowerConnect 2616スイッチと、10ユーザー分のソフトライセンスやコンサルティングを含んだパッケージで1575万円から。
このうち、コンサルティングなどの部分はデルの技術コンサルティング部隊「DPS(デル・プロフェッショナル・サービス事業部)」、中小企業向け営業部門内に新設されたSBO担当の専任チームが取り組むほか、株式会社Support Oneをはじめとするパートナー企業との連携も強化して対応する。また保守サポートに関しては、デルが統合窓口となって問題を切り分け、ハードやOSの問題にはデル側が、SBOの問題には同社のパートナーが、24時間365日体制で対応するという。
さらに基本モデルだけでなく、日本独自の試みとして、業種に特化した製品も提供する。第1弾としては今回、金融・保険業向けモデルが発売されるが、通常版の内容に加え、業種に応じたパラメータ、アドオン開発プログラム一式、テスト用データなどを合わせてパッケージ化した。こちらの価格は2079万円から。今後提供される業種に関してはまだ決まっていないが、「要望が多いであろう製造業などが対象となるのではないか」(多田氏)としている。
■ URL
デル株式会社
http://www.dell.com/jp/
プレスリリース
http://www1.jp.dell.com/content/topics/segtopic.aspx/pressoffice/2004/041129c?c=jp&l=jp&s=corp
■ 関連記事
・ SAPジャパン、少人数でも使える中小企業向けERPを国内投入(2004/06/17)
・ SAPの中小企業向けERPパッケージの取り扱いに特化した新会社が設立(2004/09/28)
( 石井 一志 )
2004/11/29 17:36
|